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1999/07/30
国旗・国歌法案/参院特別委で質疑はじまる/本岡昭次、江本孟紀議員が質問
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国旗国歌法案を審議する参議院の国旗・国歌特別委員会が30日から始まった。民主党・新緑風会から本岡昭次参議院議員会長と江本孟紀参議院議員が質問に立った。
本岡議員は、冒頭「戦後の重要問題を次の世紀に積み残さないとする官房長官の姿勢には賛成だが、戦争責任、軍属、従軍慰安婦、強制連行労働者などの問題を解決することも我々の責任」と述べ、特に従軍慰安婦問題解決への認識を野中官房長官にただした。これについて、野中長官は「尊厳を深く傷つけられた女性たちの心を癒すためのアジア女性基金の活用を幅広く行うが、積み残された問題だと強く認識している」と述べた。
次に、本岡議員が自身の戦中・戦後体験や小学校教員としての経験を披露し、野中長官の体験談を引き出しながら、「それぞれの体験を持つ人間がいることを認識しあうべき」と述べた。君が代の解釈については、本岡議員は「君=天皇でなく、広い解釈を認めるべき」「学校での指導も、君が代の歌詞の理解などを評価の対象にすべきではない」と主張した。
これに対し、有馬文相は「歴史的背景を教えることは大切だ。個々人の解釈の幅はけっこうだが、今回の君が代の政府解釈は教育の上で、ぜひとも教えていただきたい」と述べ、「国の解釈に絶対的権威づけがあると考えるとおかしくなる」と反論する本岡議員とはかみ合わなかった。
また本岡議員は、「法制化は強制ではない」と主張する政府側に対して、「法制化が各学校で出される職務命令の根拠となる恐れがある。より不幸な結果をもたらすのではないかと疑問と危惧を覚える」と述べ、今後の動きを注意して見守りたいと表明した。
午後から質問に立った江本議員は冒頭、「過去の政治家は国旗・国歌について議論せず、怠慢だったのではないか」と指摘。さらに「私は戦後生まれの世代。国旗・国歌について、戦争時代の傷を背負っていない。ごく自然に体の中に入っている。教育現場での混乱はこれを機会に改善すべきことは改善すべき」「日の丸・君が代の強制と言われるが的外れだ。法制化されていないことを理由に、歌わせないことが逆に強制されていた」と主張した。
また民主党内の議論にふれ、「大半は日の丸・君が代そのものは認めている。今すぐ法制化するのはどうかとの声が大きい」と、国民合意のプロセスをおろそかにし、性急な法制化を進めてきた政府の姿勢を問題視した。君が代の歌詞を問題とする意見に対して、江本議員は「意味が難解な歌は他にも多い。これほど戦いの臭いがない国歌はない」と見解を表明した。
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