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1999/08/04
盗聴法など組織犯罪対策3法案、参議院法務委で公聴会ひらく〜「警察の公正さへ不信感」佐高氏ら表明
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盗聴法の問題点が次々に明らかにされている参議院の法務委員会では4日、中央公聴会が開かれ、野党が共同推薦した評論家の佐高信氏、弁護士の小口克巳氏、富山大学の小倉利丸教授など6人が午前と午後にわかれて意見を述べた。民主党・新緑風会から海野徹、小川敏夫両議員が質問を行った。
佐高氏は、警察が共産党幹部宅盗聴事件でもまったく反省の色を見せず、さらにオウム真理教幹部による「坂本事件」や「松本サリン事件」でも、ズサンな捜査を行いながら、濡れ衣を着せられた関係者に対しては警察関係者は一切謝っていない、と鋭く指摘。さらに「歯止めが利かない」と通信傍受に反対していた公明党が半年足らずで賛成に回った点も批判し「政治家の発言には賞味期限をつけてほしい」と当てこすった。
質問に立った海野徹議員は、盗聴という「卑劣な手段」が、子ども社会に対していわゆる「衰弱現象」を与える危惧を指摘。与党推薦の評論家・鈴木りえこ氏が通信傍受の理由としてあげた「中高生に広がる覚せい剤汚染」に関して、海野議員は、麻薬中毒者の救済活動を行っているグループの活動にふれ、「通信傍受にかかる費用の何割かをさいても政府は汚染の防止に努めるすべきだ」と強調した。
午後からは、共産党幹部宅盗聴事件の弁護活動を行った小口氏が、開口一番「警察の良識に待つことは期待できない」と指摘。当時の裁判について「現場検証を含め、あらゆる段階で当局は非協力的であり妨害がなされた。裁判にも現職警官は出頭に応じず、唯一出席した元警官も一切証言を拒絶。上層部の追及はついになされなかった」と憤慨気味に披瀝。また盗聴機の納入業者の証言などを紹介しつつ、昭和30年代から警察によって盗聴が行われていたことを明らかにし、最後に「このようにはっきりと司法に服さない態度の警察に通信傍受の権限を与えることに反対する」と締めくくった。
最後の公述人である小倉氏は、麻薬密輸の捜査を例にあげ、「犯罪者だけでなく一般の船会社の顧客のメールも盗聴され、疑いの有無に関わらず全てが対象になる」とした。また「報道機関は対象外」とした昨日の政府答弁について、小倉氏は「電子メールについてはスポットモニタリングできないので、結局すべて調べざるを得ない」と抜け穴だらけである点を強調した。また携帯電話への盗聴システムが構築される結果、日本の通信会社は国際競争力に悪影響が出ると指摘。
質問した小川敏夫議員が「仮に通信傍受一般を認めるにしても、傍受記録、傍受通知がなければ不服申立て自体ありえない」と事後チェックの必要性を訴えたのを受けて、小口氏は「立会人に権限がなければ実が挙がらない。今回の法案では歯止めの実効性が確保できない」と指摘。小倉氏も「警察をすべて信用していいなら裁判所がいらないという議論、逮捕者即犯人という議論、になってしまう。公正さの担保にはやはり立会人が必要」と強調した。
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