1999/08/10
内閣不信任案を提出/衆参連携で、盗聴法阻止に全力
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通信傍受(盗聴)法案など組織犯罪対策3法案の強行採決をめぐり、民主党など野党と与党が真っ向から対立する中、民主党は「小渕内閣は国民の権利やプライバシーを侵害する法案を数の論理で成立させようとし、危険な体質を顕在化させている」として、10日午後11時50分、衆議院に「小渕内閣不信任決議案」を提出した。これにより、衆参両院で本会議を含めたすべての審議がストップする。
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自自公3党は、盗聴法などの採決を10日の参議院本会議で強引に成立させる構えだったが、これに対し、民主、共産、社民の3党は「9日の参院法務委の強行採決は無効」だと主張し、委員会での審議やり直しを要求して徹底抗戦。参議院では、10日朝から深夜まで与野党の国対委員長、参院幹事長、参院議員会長レベルでの協議を断続的に重ねたが、自自公側の「採決は有効」との姿勢は変わらず、斎藤参議院議長が各会派の合意による円満な議会運営を求める姿勢を崩さなかったこともあり、10日中の本会議開会は見送られた。しかし、自自公側は11日にも数の論理で強行突破する構えは崩しておらず、民主党・新緑風会では警戒態勢を続けている。
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民主党が提出した小渕内閣不信任決議案の提案理由は次の通り。1.小渕内閣発足以来、国民の間に将来への不安と現状に対する閉塞感、無力感が急速に広がっている。経済の現状は楽観できず、雇用問題は一段と深刻化し、失業率は大幅に増加している 2.小渕内閣は政党間の数あわせに奔走し、問題法案で国民の不安や懸念を払拭させることなく数の力で押し切る、危険な体質を顕在化させている 3.構造改革なき、ばらまき予算を成立させ、つけを後世に回す無責任な内閣 4.盗聴法案や住民基本台帳法改正案で、日常的に国民を監視、管理する極めて危険な管理国家が生まれようとしている――など。
菅代表は、不信任案提出後、国会内で会見し、「盗聴法案の9日の参院法務委の採決が実際に行われていないのに、11日の参院本会議に上程する動きが確実になった。これは国民の権利を抑圧する小渕内閣の悪政の象徴だ」と述べ、衆院解散・総選挙に追い込み、そこで国民の信を問うべきだと主張した。
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