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1999/09/16
<党代表選>大宮・宇都宮で街頭演説、立会演説会
16日、大宮駅東口で午後4時30分から行われた街頭演説会には、小雨がぱらつく中約400人の聴衆が集まり、駅やバス停のひさしの下で雨を避けながら演説に聴き入った。


 トップバッターの横路候補は、まず介護の問題について、大阪で訪れた「ケアハウス」を例にとり、「いろいろなサービスの選択肢を揃えるために、政府・民間・市民がネットワークを組んで協力しあうことが必要」と述べた。さらに、「環境循環型社会への転換」や「情報社会への転換」など、経済構造改革の視点を示した。

 鳩山候補は、この日午前に訪問した埼玉県総合リハビリテーションで懸命にリハビリに努めている人たちの懸命な姿を紹介。これを経済政策に当てはめ、「日本の経済も苦しくともリハビリをする勇気を持たなければならない」として、自立を支えるセーフティネットの仕組みづくりを訴えた。

 菅候補は、「自民党総裁選挙は、これまでのやり方をそのまま守るための派閥組織の連合選挙になっている。金でしばれた派閥政治がはびこっている限り、日本の政治は変わらない」と批判、「本当に改革ができるのは民主党だけ」と強調した。また、「諫早湾干拓、川辺川ダム、吉野川河口堰は、借金だけを残し、何の役にも立たない。3事業をやめたお金で2万箇所のグループホームができる」と、公共事業政策の転換を訴えた。

 3候補は、このあとそろって新幹線に乗り、宇都宮市での立会演説会へ。会場は約500人の聴衆で満員となった。簗瀬進参議院議員の司会で、まず栃木県連代表の小林守衆議院議員があいさつ。

 最初に登壇した菅代表は、「日本の政治で一番問題なのは、国民が『私の1票で総理を選んだ』と誰も思っておらず、総理も『自分は国民から選ばれた』と思っていないこと」と指摘して、「総理を国民が直接選ぶことから、日本の政治のシステムを変えたい」と訴えた。さらに、ベンチャービジネスがなかなか育たない日本の教育や投資環境に触れながら、「政治の世界でもベンチャー型の政治家を送り込むのが民主党の役目」と強調した。

 鳩山候補は、この日逮捕された幸福銀行の前頭取が銀行を私物化していたことに触れ、「世の中に拝金主義が横行していることに政治家として責任を感じる」と述べた。その上で、「民主党の代表選挙がポストや権力を求める争いでないことをこの選挙で示したい」と語った。また、先週訪米した簗瀬参議院議員の体験談を紹介しながら、日米の情報通信コストの差を指摘し、「アメリカの電子商取引は爆発的に増大している。この差を埋めるためには通信コストの大幅引き下げが必要」だと述べた。

 最後に横路候補は、「巨大与党勢力が国会の外で密室談合して、国会は形だけにしている。これは民主主義の基本、国民主権に反する政治だ。野党第1党としてこの方向とは違う選択肢をはっきり明示することが大事」だと冒頭に強調。年金、介護政策の他、中小企業政策にも触れ、「政府のベンチャー支援策は創業5年以内の制限があるが、事業拡張のホウハウ・能力をもっていて、新しいことにチャレンジしている中小企業にも支援すべき」と提言した。
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