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2006/07/04
渡部国対委員長、札幌で講演 政権交代実現へ改めて決意示す


渡部恒三国会対策委員長は4日夜、平野博文国対委員長代理、蓮舫参議院議員(副幹事長/政策調査会副会長)らとともに北海道札幌市を訪れ、市内で開催された三井辨雄衆議院議員の集会で講演を行った。渡部国対委員長は、会場を埋めた参加者の皆さんに、二大政党制の確立と政権交代の実現に向けた決意を、改めて語りかけた。

 蓮舫議員の司会の下、会場ではまず、中国訪問のためこの集会に出席できなくなった小沢一郎代表のビデオレターが上映された。小沢代表はこの中で、集会に欠席となった事情を説明しつつ、この日の講師の「渡部委員長は、私と30数年来の同期の友人同士だ」と紹介。三井議員の活動についても、「どんどん国民の負担のみを上げている小泉・自民党のやり方に、厳しい批判と議論を投げかけている」とし、年金や医療の抜本的な改革の必要性を改めて訴えた。

 続いて、ドラマ水戸黄門一行に扮した渡部国対委員長と平野国対委員長代理が登場すると、会場は大きな拍手に包まれた。そしてまず、平野国対委員長代理が挨拶。渡部国対委員長とともに「この紋所が見えないか、と言いつつ、悪代官を退治するために旅に出ている」などと語りつつ、三井議員の議院運営委員会理事としての活躍を指摘。その上で、「平成の民主党の水戸黄門」として渡部国対委員長を紹介した。

 ここで、「政権交代で世直しだ!」と題して渡部国対委員長が講演。小泉政権となって、「5年の間、日本は良くなったのか、悪くなったのだろうか。北海道は良くなったのだろうか、悪くなったのだろうか」と問いかけ、凶悪犯罪が続発するわが国社会の現状などを挙げながら、「市場中心主義で、日本人の心、故郷を愛する心が非常に薄れてきた気がしてならない」と語った。

 その上で渡部国対委員長は、戦後60年間、わが国がここまで来たのは、「みんなが汗を流して働いてきたからだ」として、勤勉、貯蓄の精神の重要性を訴えかけた。そして、「世界の中で日本を愛する気持ち、国の中でそれぞれの地域を愛する気持ち」が大事だとして、「学問も文化も経済も情報も、全てを東京に集中させる小泉政治の結果が、東北を苦しめ、北海道を苦しめている」と批判を展開し、「21世紀のこれからの政治を議論する時に、考えなければならない」課題だと指摘した。

 渡部国対委員長は更に、こうした地域格差とともに生活格差が問題だとして、東京においても給食費を払えない人が40%近くいる地域があることなどに触れながら、「極端に生活の差がないことが、この国の人たちの心を一つにしてきた」にも関わらず、「近頃は極端な金持ち、極端に貧しい人が生まれている」ことに強い懸念を示した。そして、この生活格差を解消しなければ、「21世紀の未来に、若者たちが希望の持てる日本は無くなってしまう」との厳しい見方を示した。

 渡部国対委員長はここで、「政治がなさなければならないのは、皆さんに安心して暮らして貰うことだ」と改めて強調し、年金制度など社会保障制度の抜本改革の必要性を指摘。「若者が年寄りを迷惑がるような世の中にしてはならない」とし、「小泉君の無責任政治に、このまま任せておくわけにはいかない」とした。更に渡部委員長は、「政権を担当できる政党が一つしかないという政治は、民主主義ではない」と指摘。「民主主義の基本は、国民の皆さんの1票によって政治が変わるということだ」として、二大政党制の重要性を改めて訴えかけた。

 渡部国対委員長は更に、自らが自民党を離れた経緯にも触れ、「自民党を飛び出してでも、もう一つの政権政党をつくって、国民の皆さんに政権を選ぶ権利を持っていいただかなくてはならない」との思いを力強く語った上で、小沢代表も羽田最高顧問も渡部国対委員長自身も、「別に自民党でリストラの対象になっていたわけではない」などと冗談も飛ばし、聴衆は笑いに包まれた。

 そして渡部国対委員長は、「来年の参議院選挙は必ず勝つ」との決意を語り、「二大政党制を残すまでは死ぬわけにはいかないと、今がんばっている」などとした。その上で民主党の政策に理解を求め、「北海道から21世紀の政治を変える風を起こして下さい」などと呼びかけて講演を締めくくり、会場を埋めた参加者の大きな拍手を浴びた。
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