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2006/07/14
【衆院農水委】川内議員、ドミニカ移民・牛肉輸入再開問題など質す


14日午前、衆院農水委員会の閉会中審査が開かれ、川内博史衆院議員(党経済団体局長)が質問に立ち、ドミニカ移民問題および米国産牛肉輸入再開問題について政府の姿勢を質した。

 まず川内議員は、ドミニカ移住者の補償問題について外務省と農水省の責任を認定した6月7日の東京地裁判決を引用し、除斥期間の問題によって補償が認められなかったにもかかわらず、小泉首相も実質敗訴を認めている点を指摘し、農水省の責任を質した。中川農水大臣は、外務省が窓口になったが農水省も現地調査をして農業指導を行っているので責任があると認め、首相の発言もあるので可能な限り対応したいと答弁した。

 続いて川内議員は、同判決が出た後に出された麻生外務大臣の談話に温かみがないことを指摘した上で、外務省の責任を質した。塩崎外務副大臣は、外務省としても農水省と同一の見解であるし、判決を重く受け止めて、移住者との対話を重ねつつ、出来る限りの対応をしたいと答弁した。

 川内議員は、初当選後10年間にわたりこの問題にかかわり、現在は移住者議員連盟の事務局長として取り組んでおり、今後も政府の誠意ある対応を求めていきたいと述べた。

 川内議員は議題を米国産牛肉の輸入再開問題に移し、米国における飼料規制の強化とサーベランス拡大を求めるとの農水大臣の答弁を確認するために質問趣意書を出したことに触れつつ、これらを今年の米国に対する年次要望書に盛り込むべきであると迫った。農水大臣は、年次要望までに米国側がこれらの点を改善すれば盛り込む必要がないとしつつも、これらの点を盛り込むことを確認した。

 川内議員は、米国の食肉処理施設に関する報告書にある黒塗りの部分を開示すべきであると迫った。答弁のやり取りを重ねる中で、農水省食品安全部長は一定部分について文書で開示を要請した後、口頭で回答を要請していることを明らかにした。川内議員は、場合によっては文書によって開示を通告することも行うべきだとして、農水省に開示に向けての努力を強く促した。

 川内議員は、現在米国に出向いて行われている食肉処理施設の調査が終了することを受けて、報告書を迅速に提出するだけでなく、詳細な内容のものとすべきだと迫った。農水大臣はどの程度詳細な報告書とするかはまだ分からないとしつつ、安全性については35の施設の調査結果を踏まえて厚労省と農水省がリスク管理機関として判断すると答弁した。

 川内議員は、日本における水際検査での全箱確認は民間業者の協力を得て行うことであるとの答弁を捉え、民間業者では脊柱などの危険部位の付着を見抜けないのではないかと指摘した。食品安全部長は目に見える範囲ではそれもあり得ると答弁した。川内議員は、民間業者の協力を得るのであれば、何を求めるのかはっきりさせるべきだと指摘した。

 川内議員は、英国の調査期間は英国内に14000人の変異クロイツフェルトヤコブ病患者がいる恐れがあること、米国では禁止されているはずの反芻動物の飼料に反芻動物を使うことが発覚していることなどを指摘し、民主党としては拙速な輸入再開に反対することを強調して質問を終えた。
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