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2006/07/19
小沢代表、外国人特派員協会で講演 内政・外交のあり方主張


小沢一郎代表は19日、外国人特派員協会で講演するとともに、記者団からの質問に答えた。

 拍手で迎えられた小沢代表はまず、「マリナーズのイチローほど有能ではないので」などと挨拶。また、政界入りして37、8年経つと前置きして、「しかし、今もって人様の前で話をするのが下手でもあり、あまり好きでもない」と率直に語り、そういう意味においては、政治家としての大きな資質が欠落しているということかもしれないと自らを分析。そのうえで「人間は自分のもっている殻以上のことはできない。田舎モンは田舎モンらしく、一生懸命、いずれにしても政権を目指してみんなと力を合わせて頑張っていこうという気持ちで努力をしているところだ」と表明。その後は記者団からの質問に答えた。

記者Q 食の安全確保に向けたBSE対策をめぐる民主党の考え方は?

小沢A 日本が米国産牛肉の再輸入を始めることこそ問題。政治的な問題ではなく、食の安全、国民の健康の問題だから、日本には日本の基準やものの考え方がある。米国の検査体制は、小泉総理は何が何でもブッシュ大統領が言うとおり再開だと結論付けたが、日本の検討委員会の学者間、国民の多くもまだ検査体制が不十分だと感じているのが現実だ。

記者Q 国としての脅威に対して、軍拡は必要か。北朝鮮のミサイルに対しては?

小沢A それぞれの国が他国の脅威と思われるような武装に対して、対抗して武力を整備するということになれば、世界中軍拡競争になり、歴史の繰り返しでしかない。従って、日本の核武装は日本にとって、軍事的にも政治的にも何のプラスにもならないと思っている。また、北朝鮮に対しては、恐怖政治のシステムでなされているということに問題があり、それをどのような方向でソフトランディングさせるかということが政治の課題である。そのためには、日米関係はもとより日中関係、そして国際社会の一致した協力が必要だ。

記者Q 民主党としては少子化対策をどうしていくつもりか?

小沢A 少子化に歯止めをかけ、適正な人口構成にしていくためには、条件を整えていくことが必要。男と女の役割分担もあるが、社会のシステム、例えば教育にかかるコストの問題、あるいは女性の雇用の問題など、子どもを安心して育てられる環境を社会のシステムとして講じていけば、少子化の問題は容易に解決できると思っている。いずれ、民主党マニフェストにも盛り込まれるように努力したい。

記者Q 日銀のゼロ金利解除、日銀総裁の福井総裁の去就をどう見るか?

小沢A ゼロ金利政策は異常な状況だったと思うので、その点では異常なことを正常に早く返すという点だけで見れば道理。しかし、ゼロ金利という異常な状態を取らざるを得なかったのは、それ以前の日本の財政改革がきちんと行なわれてこなかったところに、原因があると思う。今後は、そのまま放置しておいて金利の上昇を招くと財政はもたないので、注意深い運営が必要。福井総裁については、自分自身が行ったことが総裁として適切であったかどうか、自分の責任できちんと判断すべきことだと思う。

記者Q 安倍官房長官、麻生外務大臣、額賀防衛庁長官は「北朝鮮のミサイルは、将来的な危機である」と指摘しているが、どう見るか?

小沢A 北朝鮮は現時点において日本、その他の国を攻撃し、国際社会を敵に回し、国際社会を敵に回して戦闘を始めるとは考えていない。それから、日本に直接攻撃を加えてきた場合は自衛だから当然のこととして、そうでない時点において敵を定めて、あの国は日本の敵だという形で事前に攻撃できるということになると、それはあまりにも暴論だ。

記者Q ポスト小泉候補の安倍官房長官、福田元官房長官との軋轢等によって、自民党が分裂する機会にならないか。どちらが総裁になった方が民主党にとっては有利か?

小沢A 自民党は政権の座にいるという一点で結びついている政党ですから、政権の座にいる限り分裂しない。来年私どもは参議院選挙において自公の過半数割れに追い込むことを目標にしており、それはかなりの可能性をもって実現できると思っている。そうなると、衆議院でいかに多数を占めていても参議院で過半数を持たないということになり、そのときに自民党がどうなるかはわからない。それから、自民党の後継総裁は、どなたがなってもまったく関係ない。なぜなら、政権をとれるかどうかは、ひとえに我々民主党自体に問題。我々が国民の信頼を得られるような政党になりさえすれば、いつでも政権をとれる。

記者Q ナショナルリズムが高まり、日米関係をどう考えるか?

小沢A ナショナリズム関しては、そういう気持ちはどこの国の人も持っている。ただ、それが非常に視野の狭い、独善的なものになってはいけないということだ。そういう、あまり良くない意味でのナショナリズムが日本においても一部であるが高まりつつあることを懸念している。また、小泉首相が言う、日米同盟は本当の意味で存在していないと思う。今までのいろいろな例を見ればわかるが、例えば湾岸戦争のとき、米国が開戦を通知してきたのは開戦の4時間前。イラク戦争のときはもっとひどく、開戦後にアーミーテージ氏から電話が1本あっただけ。私の理解ではこのような関係が同盟関係だとは思えない。
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