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2006/07/20
【参院農水委】小川議員、食の安全・安心について中川農水相質す


20日午前、参院農水委員会において閉会中審査が行われ、小川勝也参院議員(遊説局長)が食の安全・安心の観点から、農政の主要問題について農水大臣の見解を質した。

 小川議員は冒頭、旭川市における農業者の集会での体験に触れて、米国産牛肉の輸入再開問題やWTO(世界貿易機構)農業交渉に加えて価格保障から所得保障への移行を図る新政策にも生産者が高い関心を持っていることを指摘した。そして、今年は北海道、東北、九州などにおいて、天候不順が農業に大きな影響を与えていることを取り上げ、農水大臣の見解を質した。中川農水大臣は、農業の特殊性は自然を相手に生存に必要なものを生産する点にあるとし、天候不順が農業に与える悪影響や農産物価格に与える影響について情報を収集し対応していきたいと答弁した。

 小川議員は、主要農産物の国内生産が増加しない理由は内外価格差にあるとし、先進国の中で食料自給率が低いままでのうのうとしているのは日本だけだとの小沢一郎代表の言葉を引きつつ、食料自給力を持ちながらも自給率が低い日本の現状を改めるために、フレキシブルな予算編成などを行うべきだと主張した。農水大臣は、国内生産を基本として備蓄と輸入を加えて食料を確保するのが現在の政策であり、自給率を1ポイント引き上げるだけでも大変であるが、現状を打開する生産者の努力を支援していくと述べた。そして、予算配分については、タテ割りを排し、効率的・重点的に行っていくと答弁した。

 小川議員は、新政策の基礎となる経営安定交付金法は競争力強化のために生産物価格を引き下げていくというメッセージではないかとし、効率のよい農業生産体が低賃金の労働者を雇用するなどの効率ばかりを追い求めた際に発生する問題を提起した。続いて小川議員は、BSEをなくすためには全頭検査に意義があるとの専門家の言葉を引き、米国の対応には不安があると指摘した。農水大臣は、日本には専門家の見解に基づくルールがあると述べ、日本としては安全と安心のために全頭検査を求めているとし、輸出する際には輸入国側の状況を良く聞いてもらう必要があると答弁した。

 小川議員は、小泉首相が訪米した際に和牛の肉を食べたとの報道を取り上げ、どういう経緯で米国に和牛があり、それが日本に入ってくるおそれがあるかについて質問した。農水大臣は経緯について、10年ほど前に和牛が生体か精液かで輸出され、米国にも存在すると答弁した。さらに、神戸牛と名づけられている点については農産物の地理的表示の規制上問題があるとし、また生物についての知的財産権にもとづく排他的権利の確立について検討中であると答弁した。小川議員は、夕張メロンなどの例を取り上げて、産地のブランドの保護の必要性を強く訴えて質問を終えた。
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