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2006/07/21
首相は説明責任果たし、閉会中審査実施を 鳩山幹事長、会見で


鳩山由紀夫幹事長は21日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、豪雨災害への対策に関する官邸への申し入れ、ドミニカ移民訴訟問題への対応、予算委員会の閉会中審査開催の要求などについて取り上げ、コメントした。

 鳩山幹事長はまず、「全国で大変な豪雨被害が生じている」ことに関して触れ、民主党としても、亡くなられた全ての方にお悔やみを申し上げ、被災された方にお見舞いを申し上げたい、などと述べた。そして、一昨日に高木義明副代表を本部長とする対策本部を設置し、今日午後、政府に対して、迅速かつ積極的な支援や正確な気象情報の提供など、万全の態勢をとるように早速申し入れたところだとした。

 ドミニカ移住者の訴訟問題についても鳩山幹事長は言及し、国策により「ドミニカに夢を求めて移住された方々が、夢破れて大変苦労をされている」ことに関して、小泉首相が談話で「率直に反省し、お詫びする」と述べたほか、原告団代表に会って謝罪を行い、「併せて実質的な見舞金が将来、全ての移住者に支給される方針だと聞いている」ことを鳩山幹事長は指摘。「色々と複雑な部分もあろうかと思う」としながらも、「ドミニカに移民された方々の思いが、しっかりと理解されるような形での政治的な決着を図ってまいりたい」とし、「民主党としても積極的に努力したい」などと述べた。この点に関して鳩山幹事長は、記者団の質問に答える形で、「政治的な決着を図らなければならなくなったことは遺憾だ」とし、「迅速にこの問題に対処してこなかったことは、大きく反省をしなければならないことだ」とも指摘。「国策の誤りによって大きな被害に遭い、きわめて長期間苦痛を与え続けてきた罪はきわめて大きく、消せるものではない」などとした。

 また、鳩山幹事長は、日米首脳会談、サミット、北朝鮮によるミサイル発射、中東情勢の緊迫化、イラクからの陸上自衛隊撤退と航空自衛隊の活動強化、米国産牛肉の輸入再々開など、「非常に重要な問題が山積していく」中で、小泉首相が「国民に対して説明責任を果たそうという意欲が全くない」ことを厳しく批判。「閉会中であっても予算委員会を開くべきだ」と主張した。鳩山幹事長は併せて、「与党、特に自由民主党は、総裁選モードになってしまっており、どうも腰が浮いてしまって、国民の声など全く聞く耳は持たないという状況のように思えてならない」と厳しく指摘し、「まことに情けない限りだ」と批判を加えた。

 更に鳩山幹事長は、31日から2日まで、小沢一郎代表・菅直人代表代行らとともに三宅島を訪問し、噴火災害によって多大な被害を受けた同島を視察する予定であることも明らかにした。

 また、記者団から、靖国神社へのA級戦犯合祀以降、昭和天皇が参拝をされなくなったことに関するメモについて所感を問われた鳩山幹事長は、「昭和天皇はこの大戦に対して、最も心を痛めてこられた方だ」とし、「事実は事実として全ての国民の皆さんが重く受け止めるべきものだ」などとした。

 このほか鳩山幹事長は、北海道知事選への対応に関しては、「北海道の魅力を正面から発揮させられる」ような「識見の豊かな方が登場してくることを、大いに期待している」などと所感を述べたほか、24日の教育再生シンポジウムの開催についても、民主党の「日本国教育基本法案」の方が、政府・与党の案よりもはるかにいいと国民の皆さんの理解を深めてもらうため、その環境を整備していきたいとの認識を示すとともに、教育問題の特性を踏まえれば、「強引に数の力で押し切ることはすべきでない」などと述べて、与党側の動きを牽制した。
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