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2006/07/25
豪雨災害に対し被災者支援、被災地復興に努力 会見で小沢代表


小沢一郎代表は25日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、梅雨前線による豪雨被害や靖国神社へのA級戦犯合祀に関する昭和天皇のご発言メモなどに関してコメントした。

 小沢代表はまず、「梅雨が長引き、梅雨前線の影響で各地で被害が出ている」とし、「亡くなった方のご冥福を祈るとともに、被災者の皆さまにお見舞いを申し上げたい」と述べた。そして、民主党としても対策本部を設置しており、「できる限り被災地の復興、被災者の支援のために努力をいたしてまいりたい」として、被災地にお見舞いと視察に赴くよう対策本部に指示したことも明らかにした。

 また、昭和天皇が靖国神社に参拝されなくなった理由として、A級戦犯の合祀を指摘している内容の、宮内庁長官(当時)のメモが明らかにされた件についても、小沢代表は記者団の質問に答えた。この中で小沢代表は、「直接、天皇陛下から見聞きしたわけではないので、真偽のほどは分からない」と前置きした上で、「二度三度とお会いしてお話しさせていただく機会を経験したが、その度に昭和天皇に対する尊崇の念を強くした」とし、「私の僅かな経験から推察いたしても、ただ国民の幸せのために、という思いを持っておられる天皇陛下であったと思う」とまず述べた。

 そして、「時の政府或いは軍の最高責任者たちが、奏上の度に場当たりの無責任な発言を繰り返した」ことに対して、「立憲君主制の何たるかを最もよく理解しておられた昭和天皇が、ついには堪忍袋の緒を切らし、政府や軍の最高責任者に厳しいお言葉を浴びせたということも、歴史上の事実として伝えられている」と指摘。「大きな苦難に喘いでいる国民に対する、大きな深い思いやりの念で一杯だったのだろうと思う」と述べた。

 小沢代表は更に、戦争を指導した者は「大きな責任を有すると、私はかねてより認識し、色々な機会に発言してきた」とし、「昭和天皇もそういう思いを漏らされたという宮内庁長官のメモが見つかったということであるが、私など比較にもできないが、ただひたすら日本の国民の幸せのことのみを考えておられた昭和天皇のことを今、思い浮かべながら、大御心を私は感じている」などと語った。

 また、小泉首相の靖国神社参拝問題に関する発言についても小沢代表は触れ、「たった一つの現象を捉えてとか、個人の問題だとかいう類の発言は、全くその本質を理解していない、不見識な言葉だと思う」と厳しい批判を加えた。

 自民党総裁選挙についても記者団から質問が相次いだが、小沢代表は、「誰になっても関係ない」と切り捨て、「何故ならば、政権を国民から任されるかどうかということは、ひとえにわが党自身の問題だからだ」と指摘。「自民党が良くないということはみんな思っている」とし、「では、それに代わる民主党はどうだということに対して、まだ十分に応えきれないでいることが問題だ」と述べて、「どなたになろうが、ほとんど関係ない」との認識を繰り返し語った。

 また、民主党が国民の期待にどのように応えるかに関しても、小沢代表は、「基本の政策についてもっと明確な結論を出し、簡潔に国民に伝える、それが私はまず第一だと思う」と明確に指摘。「国民に伝える方法としては、党としてのPRもあるが、議員や候補者が、みんなで一人でも多くの方に日常の活動を通じて伝える以外に方法はない」として、「民主党が、本当に政権を任せられるような政党にならなければならない」との強い決意を改めて示した。

 来年の参議院議員選挙の第一次公認の見通しについては、「個人名を特定して発表できるのは、まだ目標の数に至っていない」と小沢代表は指摘しつつ、「その方向性や実体的なことが、かなり詰まってきているというものもけっこうある」と述べ、「私の目標からすれば、着実に一つひとつ増えてきている」との認識を示した。そして、「1人区に候補者を擁立するという作業に、なおぎりぎりまで全力を尽くしたい」との意欲を改めて明らかにした。
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