ニュース
ニュース
2006/07/26
小泉政権5年は目先を変えただけの改革偽装 厚木市で菅代行


 菅直人代表代行は26日夜、神奈川県厚木市を訪れて街頭演説を行い、小泉政権5年間を振り返って、その「偽装された改革」に対して厳しい批判を展開。目先を変えてやったように見せかけただけの5年間だったなどと、舌鋒鋭く訴えかけた。

 本厚木駅前でのこの日の街頭演説会では、まず牧山ひろえ参議院神奈川県選挙区第4総支部長が、「実現男」として、地元厚木高校出身の後藤祐一神奈川県第16区総支部長を紹介。その後藤総支部長は早速マイクを握り、「がんばれば実現できる社会が崩れつつある」とし、「この格差社会を改めなければならない」とまず訴えた。そして、教育や子育ての問題について自らの経験も踏まえて聴衆に語りかけ、「心のゆとり、時間のゆとりを取り戻し、効率化一辺倒、お金儲け一辺倒でない社会の実現を」などと呼びかけた。

 後藤総支部長は更に、自ら構造改革特区構想などに関わってきた経済産業省勤務時のことを振り返り、「政治が官僚に丸投げしている状況では、日本は良くならない」と断じるとともに、「皆さんが何に苦しみ、何を求めているか」分からない官僚が、政治を騙すことではいけないと思い、自ら政治家を志した、などと力強く語りかけ、詰めかけた聴衆からは激励の声が上がった。

 続いて菅代表代行が演説。「国会の場で小泉さんと議論した数は一番多い」という経験を踏まえながら、「小泉さんという人は、私が聞いたことに何一つとしてまともに答えない人だ」と厳しく批判。ただ一度まともに答えた、この程度の約束は守らなくても大したことではないとの答弁について、「この一言に、小泉さんの本音が現れている」とし、「目先を変えて、その場その場で何かやったように見せることが、小泉さんの5年間だった」と、厳しい口調で更に批判を加えた。

 道路公団の民営化、社会保険庁長官への民間人起用など、小泉首相がやったとする「改革」についても、まやかしの納付率上昇のカラクリなどを分かりやすく菅代表代行は解説。うなずく聴衆に対して、「小泉さんの改革というのが、いかに偽装された改革であるかというのは、このことを見ても明らかだ」などと、力強く訴えかけた。

 そして、国会において「1円でも税金のムダづかいを止めたところがあれば言ってみて下さい」との問いに、小泉首相が「とうとう一つも言わなかった」と菅代表代行は指摘。「官製談合をやって、わざわざ皆さんの税金をムダに使って、その先に天下り先をつくるのを、目をつむって黙っていたのが小泉さんだ」と批判を展開した。また、官製談合を止めさせる具体策として、天下りを受け入れた業者に対して国は一切発注しないと閣議で決めるべきとの持論を改めて展開。返す刀で、小泉首相は「やったやったと自分を褒めるのは天才」だが、「よく目を開いて見てみたら、やったと言う中で、本当にやれた事は何なのか」とし、「膨大な税金を使って、銀行の借金の棒引きはやった」が、「行政の構造改革など全くやっていない」などと厳しく断じた。

 小泉首相の靖国神社参拝問題についても、特に最近明らかになった昭和天皇のご発言メモにも触れながら、菅代表代行は言及。国会で「戦争を指導した者の責任は一切無いと言えるのか」と問うと、「中国が行くなと言ったら行かないのか」などと小泉首相が気色ばんで反論したことを紹介した上で、明らかになったメモを素直に読めば、昭和天皇も、「外国に言われたから参拝を止められたのではない」のであって、「あの戦争に責任があった人が、結果としてA級戦犯として祀られた後は、一度も行かれていない」との事実を指摘し、「私の心だ、ということで参拝されていない」などとした。そして、「怪しくなると『心の問題だ』と逃げる」首相の姿勢を厳しく批判し、「小泉さんのやり方は全てそうだ」として、「(後継総裁には)あのインチキな路線だけは変えて貰わなければならない」などとした。

 最後に菅代表代行は、「皆さんの声を素直に政治に伝えていく」ことの重要性を指摘して、後藤総支部長を改めて紹介。駅前に詰めかけた聴衆からは、「民主党、いいぞ」などと次々に激励の声援が飛んだ。
記事を印刷する