ニュース
ニュース
2000/03/29
国家基本政策委員会合同審査会
平成12年3月29日(水曜日)午後3時開会

〔本岡昭次君会長席に着く〕


○会長(本岡昭次君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。
 本日は私が会長を務めますので、よろしくお願いをいたします。
 国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。鳩山由紀夫君。(拍手)

○鳩山由紀夫君 総理にお伺いをいたしますが、八日の私のクエスチョンタイムのときに、特に新潟の警察の幹部の汚職の話でありますが、総理は運が悪かったとお話をされた。そして、ところが、それが言葉じりではなくて、日曜日のサンプロで、この問題に関して、たまたまあかが吹き出たようなものであるというふうにお話をされて、そのときに総理である総理の私が運が悪かったというふうにお話をされた。そして、昨日、改めて記者団に向けて、この農林水産省の大きな汚職、高級官僚のキャリアの官僚の汚職が出たときに、これは本気でそう思っているとおっしゃって、運が悪かったと三度も述べられたわけでありますが、これはやはり、総理、本音でおられるんですね。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) まず、お答えをする前に、鳩山代表もお地元でありますが、有珠山の火山活動につきまして、今、建設大臣からも、国土庁長官からもお話がございましたので、一時間に十数回の震動がございまして、専門家、予知連が数日内に噴火があるんじゃないかと。その対応につきまして、省庁等を現地に派遣いたしておりまして、北海道知事に対しましても、内閣危機管理監を通じまして、万全を期していきたい、こう思っております。観光客その他に被害があってはいけませんので、全力を尽くしていきたいと思っております。
 そこで、お尋ねの運が悪いという話は、このお話を申し上げたのは、その後に続いて、最初のときですよ、そのときは、一般的に言えば運が悪いで済まされることであるかもしれないけれども、今度のことは天網恢々疎にして漏らさず、神はこのことをしっかりとこういう事態を起こしたということについて、これはまことに天がこの際きちんとしなきゃならぬということを申し上げたんで、したがって、その後も申し上げておりますように、この我々は禍を転じて福となすというのは我々政治家にとってきちんとした姿勢を示すことではないかということでございまして、したがって現在、いろいろの不祥事がたくさん出てきておりますよ。こういうことも実は私の内閣のときなどと申し上げません。そればかりでありません。しかし、そうであっても現政権を持つ者としては、過去にさかのぼってもこうした問題が起きてくるということは本当に今うみが出てくるように実は出てきておるわけでありまして、このことを考えますと、やはりこの際内閣としては、それは正直申し上げて何もない方が運がいいのかもしれませんよ、しかし、仮に言葉が正確でなかったかもしれませんが、こういういろいろな不祥事が起きてくるということについては本当にこの機会に全力を挙げて対処しなければならないという意思を申し上げたことでございますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

○鳩山由紀夫君 まず、有珠山の噴火に関して迅速に対処して対策室をつくっていただいたことには感謝を申し上げたいと思います。ぜひ、万全な体制を心から期待申し上げます。
 今、総理の御答弁を聞かせていただいて、一般的に言えば運が悪かったで済む話では実はないんです。構造的に起こるべくして起こった問題だということを私たちは指摘しなけりゃならないんです。政治が官僚と一部の業界と癒着をしているからこういう問題が起きているんだということを理解をしていただかなきゃならない。
 それにもかかわらず、これが構造的な部分には目を背けて、何か吹き出物が出てきたように、出たから全部吹き出物に対してはばんそうこうで張ってそれで済ませようという、そういう発想では物事の根本的な解決にはならないんだということを改めて申し上げているんです。だからこそ、私どもは、むしろこのような改造改革に目を背けておられる総理を国の総理として担いでいる私ども国民の方がはるかに運が悪いんじゃないかというふうに言わざるを得ないんです。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 言葉のことをいろいろお取り上げでなくて、お互い、こういう事態に立ち至ったことについては、長き政権を担当した者がその責任を負うべきものであろうと思いますけれども、やはりこの機会に、問題が生じてくれば、適宜適切、一つ一つ問題の根源をさかのぼって、こうしたことが二度と再び起こらないようにすることが私は政治の責任だ、これに対してどうしてもこれは実現をしていく必要があるという私の決意を実は申し上げておるわけでありますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

○鳩山由紀夫君 その決意がおありなら、ぜひ次の法案を一緒に上げようではありませんか。今、参議院で宙ぶらりんにされていますよ、あっせん利得収賄罪。これを制定することが何よりではありませんか。
 今回の白川議員の秘書が起こした問題、まさにこれは政治家一人一人が大いなる反省の中で二度と起こさないようにしなきゃならない問題、まさにそれが政治家が、あるいは政治家の秘書が、だれか有権者、お世話になっている方々から頼まれると断り切れなくなって役人に口ききをする、その口ききをした結果、物事が動いてリベートをもらう。まさにリベートをもらうような政治がまかり通っているじゃありませんか。口きき、手心、えこひいきのそんな政治が今の日本をめちゃくちゃにしてしまったんじゃありませんか。
 だから私たちは、あっせん利得収賄罪、これを罪とする法律の制定を強く期待しています。どうぞ協力をしていただきたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 十分勉強いたしますが、今、自由民主党の中でも真剣に検討されておると考えております。
 それから、仮にこの法律案ができたからといって、今次起こっておる不祥事そのものが全部解決するとは言いがたい点があろうと思います。したがって、そうした問題も含めましてこれから検討しなきゃならぬと思いますが、ぜひ国会でも御議論いただきたいと思います。

○鳩山由紀夫君 これは参議院で現実に議論をされるはずの問題でありますから、我々が要求しているのに、自民党さんがまだ言うことを聞かないので議論ができない状況になっているんです。十分に勉強していただいて、早く上げようではありませんか。私どもは、まずそれを要求を申し上げたいと思います。
 それから、もう一つ同じように、サミットのことで沖縄に総理、この間いらっしゃいましたよね。この沖縄の問題を申し上げたいと思っていますが、なぜ基地を訪問しないで、基地の方を避けて通ってしまわれたんですか。そしてまた、テレビのサンプロでは、やはりサミットが第一であって、基地の問題は今後の課題だとおっしゃった。それじゃ沖縄県民、かわいそうじゃありませんか。なぜ基地の問題を正面からとらえようとされないんですか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 基地の問題は次のことだなどと言った覚えはありません。極めて重要な問題であることは承知いたしております。ただ、今般、土日にかけて参りましたのは、いわゆる七月二十一日から開かれます九州・沖縄サミット、特に中央会場の置かれます沖縄県においてどのような準備状況ができておるかということを視察させていただいたわけでございます。
 基地につきましては、私も外務大臣時代にいわゆる普天間基地にみずから参って視察をし、また周辺の方々ともいろいろお話をしております。
 私は、かねて来沖縄県につきましては足を運ぶことがかなり多いと思っておりまして、そのときそのときに当たっていろいろな視察その他いたしておりまして、今般基地について視察をしなかったからといってこの問題について認識が浅いとおっしゃられることは極めて浅薄だと私は思います。

○鳩山由紀夫君 それはいいお話を伺いました。
 それでは、クリントン大統領はこの沖縄サミットに関してはっきりと日本政府におっしゃっているじゃありませんか。懸案が解決できないままサミットに伺いたくはないんだと、そういうふうに述べられているでしょう。
 当然の問題として、この普天間の基地移設の問題に関して、これは大きな懸案ですから、この懸案の解決なくしてサミットに行きたくないとおっしゃっているクリントン大統領を総理のあなたはきちっと沖縄の側に立って説得をする義務があると思います。沖縄のサミット前に解決をされる自信をではお示しいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) おかげをもちまして、普天間基地の県内移設につきましては、稲嶺知事また地元の岸本市長さんにおかれましてもこの問題について前向きにお取り組みをいただいておることについて感謝を申し上げておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、知事、市長初めまた関係者の皆さんとも十分話し合って、円満にこの問題が解決するように政府としては全力を挙げて努力いたしてまいりたいと思っております。

○鳩山由紀夫君 やっぱり、もう少し詳しく聞かせていただかないと困ると思っています。
 もともとこの問題がなぜ起きたのか。米兵による沖縄の少女の暴行事件、これに端を発して、それで沖縄に七五%も集中している基地の問題をもっと沖縄県民側に立って解決していかなきゃいけないんじゃないか、そんな発想で努力が開始されたんでしょう。
 にもかかわらず、結果として県内移設という話は、沖縄県民側にとってみれば完全な解決には実はなっていないんです。だからこそ、十五年間という限定をつけたのは、沖縄県側から見れば、そして名護の市長からすれば当然のことじゃないかと私は思っている。
 ですから、この問題に関してはっきりと答えを見出すのだと沖縄の側に立ってクリントン大統領を説得する自信をもう一度示していただきたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 日本の安全保障のために、沖縄県として多くの基地を有して御苦労されていることに心から感謝も申し上げておる次第でございます。
 したがって、現在、沖縄の知事初め市長、皆さんとも十分これから話し合ってまいりたいと思っておりますが、この基地の移転につきましては、あるいは国外という話もあるでしょう、あるいは北海道という話もあるのかもしれませんが、実際はなかなかこの基地の、特に海兵隊という部隊の特殊性からかんがみまして、やはり沖縄県内に移設をすること以外になかなか道がないということでいたしておるわけでございます。
 しからば、民主党におかれましてはどのような手法でいくか、お答えをいただければありがたいと思います。

○鳩山由紀夫君 私どもは、そもそもこの海兵隊に関してはグアムかあるいはハワイ、そういったところ、国外に移設をすることを彼らも期待していた部分があるわけですから、それを先に考えるべきではないかと。それでなければ、国内でも沖縄県の外で候補地をもっと真剣にどうして探さなかったのかということを申し上げたいと思っています。
 実は、きょうもこれから財政の議論を総理にいろいろとお尋ねを申し上げたいと思っていますから、私の意見、民主党の意見だけを申し上げましたが、この問題をクリントン大統領がサミットに来られるときまでに、ぜひ沖縄県側に立って解決の努力をしていただきたい、そんなふうに思います。
 さて、この路線論争、総理はまさにこの沖縄におられたときにインタビューに答えられて、二兎を追う者は一兎をも得ずというだけではだめだ、いつまでもそういうわけにはいかないというふうにおっしゃいましたね。これは、民主党がかねてから主張している財政構造改革路線に総理も転換をされたのではないかというふうに期待をしておるんですが、いつまでもそういうわけにはいかないというのはどういう意味なんですか。財政再建路線に転換されたというふうに考えてよろしいんですか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 例え話でございますので国民の皆さんにも御理解いただきたいと思いますが、財政再建と景気回復あるいは経済再生ということは二つの一つの目的だろうと思います。
 しかし、これは片方が右の方へ行って片方が左に行っているわけじゃないんです。同じ方向にこのウサギはおるんだろうと思います。しかし、その二匹を一遍に捕らえようとしてもなかなか捕らえ得ない。したがって、まずは景気を回復して安定的な成長路線にする必要があると。これはこの前お話ししました菅さんでも、二%ぐらいの成長率を持つという形のものの姿が安定的にならなきゃならぬというようなことをおっしゃっていたように記憶しておりますが、そういう意味でこの財政再建は我々は常々考え、これは忘れたことはありませんよ。
 しかしながら、それを捕まえるためには、その前にきちんとした経済を安定させていくということが望ましいので、それも取り損なって財政再建だけをやるということは筋道が違うと。したがって、どの時点で財政再建に臨むかということは、これは大変難しい判断だろうと思いますけれども、何はともあれ景気をよくしていくという形の中で、その時点も改めて考えなきゃならぬ。この判断といいますか、裁定というものは非常に難しい判断だと思います。
 これはまた同時にどのようなものにするか。すなわち、財政再建のために持っておる財革法をもとに戻すのか、また改めてもっと違った形でやるかというようなことも検討課題に入らなきゃならぬけれども、そこばかり考えておって今のことを忘れてしまってはできないというのが私の基本的な考え方だと御理解いただきたいと思います。

○鳩山由紀夫君 片時も財政再建のことを忘れてはいないとおっしゃってくださる、当然それは当たり前のことだというふうに思います。
 ただ、それならば今安定経済成長、例えば二%ぐらいというお話をされましたが、そのように成長路線になったら財政再建を始められるわけですね。どういうプログラムで財政再建をなさるのか聞かせていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) これも前からお尋ねしておるけれども、民主党にもどのような十カ年計画であるかということもお示しをいただきたいと申し上げておりますが、今そのことを問い直しません。問い直しませんが、マイナス成長の中で財政再建を考えるということは、これは絶対不可能だろうと思います。したがって、二カ年続いたマイナスの経済成長を何とかこの九九年度でプラスに起こして、そして来年度一%、あるいは望むらくは経済戦略会議で申し上げておるように、その次くらいからは二%を目指していろいろな手法を講じていくということが現下最大の課題である、こう理解しておるわけでございます。

○鳩山由紀夫君 経済成長をさせるまではそれでは財政再建のプログラムというのは全く持っておられないということなんですか。大変それは寂しいことです。そのことが景気を悪くしているんだということも理解をされなきゃいけない。
 お尋ねということですから、後で私どもの財政再建のプログラムは必ずお示しをします。いや、きょうじゅうにお示しをしますが、今はそんな余裕がない、総理がおっしゃっているほど悠長な状態ではないということをまず申し上げたい。すなわち、総理、総理になられてもう既に百兆、国の借金ふやされたわけですが、現在の国の借金、御承知でしょうが三百六十四兆円ですよね。それで、三・五%経済が成長して、三・五%の成長率でこれから十数年いったとしても、平成二十五年、二〇一三年に七百三十二兆円という借金を抱える国になってしまうということを大蔵省が中期展望で私どもに示しているんですよ。そのぐらい今待ったなしの状況になってきているということをどうして認識されないんですか。今必要なのは、財政健全化のプログラムを総理みずからが今ここでお示しされることじゃないんですか。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) 中期展望は、これはいつも御要請で出させていただいているんだろうと思います。
 なるほど、その数字はそういうふうに厳しいものだろうと思います。したがって、そうした形の中でなかなか財政再建を行うということは、この計算上の姿からいえば難しいことは事実です。事実ですけれども、じゃ、だからといって、これからこのままでいいというわけにはいかぬわけでございますから、どうしても、(発言する者あり)いや、ですから、ここ今年、来年、再来年、少なくともプラスの成長をしていくという趨勢をしっかり踏まえて、土俵でいえばしっかり土俵を固めてそして臨むということでございまして、その暁においてどのような財源を考えていくか。国民が今保有しておると言われている一千四百兆の中で、これが一体どのように国民の理解を得ていかなけりゃならないかということも含めて考えていかなきゃならないということは、これは当然のことだろうと思っておりますが。
 いずれにしても、今どのような姿でという絵を描けと、こう言われましても、これから十年、二十年、これは試算としては成り立つかもしれませんが、現実の経済運営についてそこまでを見通すということは甚だもって難しい状況である、こう思います。

○鳩山由紀夫君 いや、私は、絵を描くことはできるはずです。国民に向けて絵を示さないのはまさに責任放棄。
 別の角度から申し上げれば、国と地方の合わせた借金の額が三百六十四どころではなくて六百四十五兆円にまで膨れ上がってしまっていますよね。今、三・五%の成長さえ難しいんだけれども、三・五%ができたとしても六、七年で一千兆円に達してしまうと言われていますよね。これはまず間違いない数字になってしまう、このまま行けばですよ。そうすれば、一千兆、一人当たり一千万円じゃありませんか。平均四人の家族だとすると四千万円でしょう。年金で、きのう通された年金法案、これによってさらにサラリーマンの手取りは一千万円減ってしまうんでしょう。合わせて五千万円じゃありませんか。
 これだけべらぼうな話に今ぎりぎりのところまでなってしまっているという認識を持てば、どうしてプログラム自身を示すことがおできにならないんですか。
 私どもは後でプログラムを示させていただきますから、ぜひ御批判をいただいて結構ですが、まず総理の方から、私は歳入と歳出のギャップをこうやって埋めていきたいというシナリオをお示しいただきたい。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) ぜひひとつしっかりとした財政再建案を、責任ある野党、すなわち政権を取ってかわろうという政党がお出しをいただく、と同時に、いかなる手法でそのことを実現するかということにつきましてもお示しをいただければ、与党・政府としてはまことに寛容の気持ちを持っておりますから、野党のいい意見も十分承りたいと思います。

○鳩山由紀夫君 まずどういうふうにそれを実現されるかと申されれば、それは政権与党にならなければ現実にそれを示すことができないのは言うまでもありません。だから、これから国民の皆様方に、どちらが責任のある政党なのか、政権であるのかをしっかりと見比べていただきたいと思っています。
 そこで、私たちは、まず財政再建のしっかりとしたビジョンを示すことだというふうにかねてから申し上げている。一番大きなビジョンの一つは、国と地方のあり方、完全に権限も財源も地方に移譲することによって、三千ある、三千三百ある今の市町村を千ぐらいまで市町村合併その他でかなり皆様方にインセンティブを与えることによって行う、これによって行政経費を相当浮かすことができることは間違いありません。それとともに、国が持っている財産がたくさんあるわけですから、その財産を売却し、さらに民営化の具体的な絵をかくことによって、これも十兆レベルで現実的に歳出を浮かすことができることに我々の計算ではなりまキ。
 さらに、むだな公共事業が余りにも多過ぎるではありませんか。私どもは五年間に三割、十年間に五割程度、公共事業を削減しなければならないと思っています。それを行うことによって、歳出を大変大きく削減させていくことができる。このようなビジョンを例えば十年計画でしっかり立てていくこと。
 一方で、景気を刺激していかなければなりませんから、経済政策は大事です。それは、私どもは規制改革を行っていく。国が抱えているさまざまな規制によって、今GDPの全体の産業のうちの四割が規制で縛られているというではありませんか。それを、アメリカ並みとは言いません、七%とは言いませんが、二〇%ぐらいまで規制を外していく努力を何でもっとおやりにならないのか。
 それとIT革命であります。このことに関して、もう時間がなくなってまいりましたが、IT革命、四年間で二二・五%接続料を下げるというのでは、余りにもこれは拙速過ぎるんです。
 ドッグイヤーという言葉を御存じでしょうか。

○会長(本岡昭次君) 発言をまとめてください。間もなく時間が参ります。

○鳩山由紀夫君 人間の一生と犬の一生を比べると、犬の方が人間でいえば六、七年、一年で過ぎていく、だからドッグイヤー。今スピードが要求されているときに、IT革命こそそのかぎを担うんだという理解のもとで私どもは頑張っていきたいと思う。これを行うことで経済を大きく刺激することができる。
 この経済政策と財政構造改革によって、私どもは大いなるビジョンのもとで国を再生することができるというふうに考えています。

○内閣総理大臣(小渕恵三君) いろいろと貴重な御意見も拝聴いたしましたが、IT革命で通話料の削減の問題、引き下げの問題についてお話しされました。これは米国からも要求がありますが、四年間で二二・五%という数字はなかなか厳しゅうございます。鳩山代表は、この原因は、御案内のとおりNTTの東と西の経営状態が極めて影響しているということですから、これを下げても、西日本のNTTが経営的な困難になりましても、あるいは人員をさらに削減する努力をしておりますが、それをいたしましてももっと下げろとおっしゃるんでしたら、一つのお考えとしてお伺いをいたしておきたいと思います。
 それから、公共事業につきましても、この前申し上げましたが、公共事業との景気の問題もございます。したがって、北海道あるいは沖縄、これは本州、四国、九州に比べまして公共事業費の比率は一二ないし一三%、本州は八%ぐらい。したがって、北海道の公共事業費も、もっとこれを鳩山代表の言われるように三分の二ぐらいに減らしてもよろしいと、こうおっしゃるんでしたら、これもまた一つのいい考えだろうと思っております。

○会長(本岡昭次君) 以上で鳩山由紀夫君の発言は終了いたしました。
記事を印刷する