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2006/08/29
【参院総務委】那谷屋議員、郵政事業の民営化について質す


 29日午前の参議院総務委員会で、民主党・新緑風会の那谷屋正義議員は、日本郵政公社の2005年度の決算の数値を踏まえ、郵便事業について質問した。

 那谷屋議員は冒頭、郵便事業の収益向上の展望について見解を求めた。続いてコンプライアンスの問題を取り上げ、長岡郵便局の不適切な別納料金の収納事件などを例に、「過当な競争意識や限度を超えたノルマ主義によりもたらされた不完全な回路」を遮断する必要があるとの認識を示した。

 続いて那谷屋議員は、信書便制度に関する竹中総務大臣の私的研究会とその報告書に言及。「なし崩し的手法による検討が進められてきた経緯があると言わざるを得ない」などと指摘し、リザーブドエリアやユニバーサルサービスの維持について、納得できる説明をと求めた。竹中大臣は、競争を促進してゆくという世界の傾向の中で、適切な制度設計を行いたい考えを示した。

 那谷屋議員は、民間信書便事業者の参入が進めば、郵便事業会社が窮地に陥ることは避けられないと述べ、生田日本郵政公社総裁にも研究会報告への意見を求めた。生田総裁は、ユニバーサルサービスや郵便局ネットワークの維持、雇用の確保への懸念を示し、民営化の論議をした時の前提条件は、民営化スタート時にも維持されるべきこと、整合性の見地からも、基本に立ち戻った高度の判断を望むことなどを述べた。

 那谷屋議員はこれを受けて、郵便事業については、再公社化も十分選択肢に考えられるとしたが、竹中大臣は、国際物流への展開など経営の自由化を図り、競争力を獲得する重要性を述べるのみであった。那谷屋議員は「地方の疲弊と引き換えに大都市圏が反映するという、いびつな国土の発展」を遂げてきた日本で、郵政事業を民営化することについて、国民の不安に答えるために検討をしっかりと行うよう求めて質問を終えた。
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