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2006/09/08
臨時国会での与野党論戦 新体制下でしっかり行う 会見で幹事長


 鳩山由紀夫幹事長は8日、党本部で会見し、7日午前に渡部恒三国対委員長と自民党国対委員長間で行われた会談内容と国会対応等について語った。

 国対委員長会談では与党側から後継首相を指名する臨時国会の召集日を26日にしたいとの提案があり、持ち帰って他の野党とも協議した結果、26日は当然の判断だと回答したことを鳩山幹事長は明らかにした。そのうえで「新たな総裁の下での大変重要な臨時国会であるだけに、それなりに会期もしっかりととって大いに議論したい」と表明。予算委員会の開催はもとより、党首討論を定例化して、定期的な議論が行われるよう求めていく考えを明らかにした。同時に、新政権はそうした形を整え、国民のみなさんにきちんとした説明責任を果たす必要があると強調。「政策論議は真剣勝負であるだけに、私どもも新体制のもとでしっかりと論戦を行っていきたい」と語った。

 続いて、首相に就任した場合の歴史認識問題への対応を問われたのに対し、安倍官房長官が7日の会見で語った発言を取り上げた。日本政府が戦中、戦前の植民地支配などについて公式に謝罪した1995年の村上首相談話について安倍官房長官は、「閣議決定で変えないという中で基本的な精神を引き継いでいく」と発言。しかし一方で、談話を踏襲するかどうかの明言は避け、「歴史の評価は基本的に歴史家に任せていくべきだ」としている。

 この点について鳩山幹事長は「歴史をどう捉えるかは政治家にとって最も重要なこと。歴史家に任せるといった発言は軽い。総理にならんとする方はどのように歴史をとらえるかを前提とすべきだ」と述べ、言葉に窮して「歴史家の判断にまかせる」と語った安倍官房長官の姿勢を「あってはならないことだ」と批判した。同時にこうした根幹的な歴史認識すら明らかにできない政治家が国民をリードできるかどうか疑問だとの認識を示し、その姿勢について「欺瞞だと申し上げておく」と述べた。

 そのほか、記者団から自民党総裁選の印象を問われ、全体として論戦は極めて不調ではないかとの認識を示した。「どのように税制を立て直すかの具体的な論争が極めて乏しい」とも語り、税の問題など国民にとって身近な問題が論じられていない点を憂慮した。

 また、安倍陣営優勢の流れについて問われたのには、「寄らば大樹みたいな発想が自民党内に募ってきているのではないか」と分析。大量当選した小泉チルドレンを筆頭に、小泉首相の流れを汲む候補を応援すれば自分の身も安泰といった発想で支持候補を決めて行く構図ができあがっているのではないかとの見方を示した。そのうえで「正々堂々、国民の側に立った議論を展開するべきだ」と重ねて指摘した。
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