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2006/10/02
【衆院本会議】党が国民の立場に立つ国政を担う 鳩山幹事長が代表質問




 衆議院本会議が2日午後開かれ、安倍首相の所信表明に対する代表質問が行われた。質問のトップバッターとして、民主党・無所属クラブを代表して鳩山由紀夫幹事長が登壇、「今の日本は、これまでの失政によって多くの難問に直面している」として、「現政権と真正面から対峙。民主党が国民の立場に立って国政に粉骨砕身取り組む」ことを誓った。

 また、安倍首相の姿勢について「あなたが唱える『美しい』は、あなた好みの国家主義、権威主義が幅を利かせ、政治が生活から遠ざかる国であることが、あなたの発言に見え隠れします。私はそうした国民の願いとかけ離れた安倍政権なら徹底的に闘ってまいります」と、鳩山幹事長は闘争宣言を発した。

 さらに、民主党が目指す政治について「小沢代表は『政治とは生活である』と述べています。いくら美辞麗句を並べ立てても、国民が具体的に生活の中で幸せを享受できなければ政治とはいえません。これまでに、改革の名の下に、真面目に働く人が痛めつけられ、そして弱って人をさらに弱らせる政治がまかりとおってきました。そうではなく、広がる格差、社会の不条理に対してこれを是正し、自立した一人ひとりが人間としての尊厳を重んじ、互いに理解し尊重し合い、多様な人々と助け合い、調和してともに生きていける社会にしていくことこそ、本来の政治でじゃありませんか」と明確にした。

 首相は、所信表明での見解から踏み出さず個別課題には具体的に答えなかった。

 個別課題への質問と答弁は、以下の通り。
■消費税ついて
幹事長 参議院選挙が終われば、結局、消費税を上げるつもりか。
首相 抜本的、一体的税制改革の中で消費税の議論を。

■小泉政権5年半の反省
幹事長 日本の良さを壊してきたこの5年半の政治を反省して検証すべき。反省も検証もなく、小泉政治の負の遺産を受け継いでも日本の未来は見えない。
首相 停滞のトンネルを抜け出した。

■戦争認識
幹事長 宰相たるあなたが戦争に関する認識を語らず、歴史家に委ねると言い逃れ。
首相 その時代に生きた人の視線で見直すこと。歴史の分析を政治家が語ることは謙虚であるべき。

■雇用の改善
幹事長 日本は先進国の中で2番目に貧困率が高い国になった。雇用の改善を謳っていますが、具体策は示されていない。ぜひ具体策を。
首相 フリーター25万人雇用や、定年を延長し70歳まで働けるよう。

■国民負担増
幹事長 一連の負担増が、高齢者、年金生活者を直撃している。この現実について、どのように弁解し、その是正に取り組むのか。
首相 十分な配慮を講じている。負担軽減措置を図っている。

■「障害者自立支援法」見直し
幹事長 障がい者に過重な負担を強い自立を妨げる悪法。抜本見直しが必要。緊急対応として、昨年までの支援費制度時の水準に。
首相 原則1割の負担をお願いした。負担上限額などの配慮している。

■消費者金融利息制限
幹事長 出資法の上限金利を利息制限法の水準までに引き下げ、特例を一切認めるべきでない。
首相 多重債務者を発生させないよう法改正に取り組む。

■教育基本法改正
幹事長 民主党は、最終的な責任は国がもち、実際の教育は地域の子どもは地域が育てる現場主権を明確にしている。感想を。
首相 感想は控える。

■日米関係
幹事長 安易に米国に追随。イラクでは大量破壊兵器もなく、テロ組織との関係も否定する報告が。
首相 積極的貢献をする外交を展開する。その結論として国益を確保する。

■アジア外交
幹事長 冷静かつ建設的な対話が停滞している。平和と繁栄の礎を築くことが責任ある外交ではないか。
首相 相互信頼、未来志向の関係を築く。民主主義国のインド、オーストラリアとの関係を重視する。

■拉致問題
幹事長 どのようにして、特定失踪者、拉致被害者の生還を求めるのか。
首相 対話と圧力。政府一体で取り組む。

■対ロシア外交
幹事長 北方領土解決と日露関係打開は。
首相 幅広い分野で信頼関係に基づき、領土問題解決に取り組む。

■戦争認識と戦争責任
幹事長 日本の非は非として認めるべき。小泉前総理ですら「植民地支配と侵略」としている。この見解を認めるのか。A級戦犯といわれる人には国家指導者としての責任はないと考えるのか。
首相 平成7年などの政府見解、認識の通り。極東裁判を受託しており、異議を述べる立場にない。

■靖国参拝
幹事長 国家のために殉じた人々に国家指導者が尊祟の念を表するとは当然。しかし、戦死者以外の人も祭られている。参拝するか、したかをあいまいにするのは信頼を損なう。
首相 (参拝する、しない、したかどうか)申し上げることがないのは、個人の考え。

■郵政民営化反対組みの自民党復党
幹事長 選挙目当て、数合わせで復党は国民を愚弄するもの。政治への信頼、社会規範の根底を崩す。
首相 私の国づくりの政策へ、与野党からの幅広い拠力を得ること。党として判断すべきこと。

■党首討論
幹事長 毎週行うべき。
首相 国会の運営は政府が申し上げることではない。
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