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2006/10/06
【衆院予算委】田中眞紀子議員、安倍総理の未熟さを諭す


 6日、衆院予算委員会の基本的質疑において、民主党・無所属クラブに属する田中眞紀子議員が質問に立ち、安倍総理の政治姿勢を質し、未熟さを諭した。

 田中議員は冒頭に、総理は重大な職責であるとしつつ、同期当選議員として総理に率直な感想を求めた。総理は、総裁選に立候補するには20から30年かかったものだが、議員暦13年の自分が手を挙げるべきかどうか自問した上で、決意したと答弁した。これに対して田中議員は、「永田町で見ると、子どもが大人の靴を履いて通りに出てしまい、右へ右へと歩いているようだ」と評した。また田中議員は、「美しい国、日本」という総理のキャッチフレーズを引き、それならば「美しい内閣が出来ると思っていたが、この顔ぶれだ」と皮肉った。さらに田中議員は、京都大学の中西輝政教授の「日本文明の興廃」から日本の先の大戦への関与は侵略戦争ではなく、止むを得ざるものであったとの見解を引用し、総理の「美しい国、日本」との共通性を指摘した。総理は、どこが重なっているのか分からないと答弁した。

 一旦議題を食の安全に移し、米国産牛肉の輸入再再開については、米国においての全頭検査が不十分であることを指摘し、さらに日本の食品安全委員会は分析・評価機関であり、リスク管理は行政の責任であることを質疑の中で確認した。そして、松岡農水相から、科学的判断にもとづく原則に従って、米国に再再開の条件を守ってもらうとの答弁を得た。

 北朝鮮の拉致問題を取り上げた田中議員は、日朝首脳会談の経緯を質しつつ、2002年の小泉訪朝の際の粘りが足りなかったために問題の全面解決が出来ないでいると批判し、その際に官房副長官として同行した安倍総理にも連帯責任があると追及した。総理は、当時として最善を尽くしたと答弁した。これに対して田中議員は、外交はもっと時間をかけてやるべきものだと諭した。

 田中議員は、総理に日中国交回復に反対をした自民党内右派グループである青嵐会を想起するように求め、総理にはそのDNAが受け継がれているとした。そして、日中国交回復においては日本の軍国主義者と国民を区別した中国の知恵があり、極東裁判のときには天皇の不訴追と戦争放棄を組み合わせた米国の知恵があったと指摘し、日本の侵略を認めて国際的に共通の歴史観を腹に据えてもらいたいと諭した。

 最後に、マックス・ウェーバーの言葉を引いて権力のおごりを田中議員は戒め、「もしギブアップすれば、いつでもこちらの皆さんが政権交代する」と民主党にエールを送った。
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