ニュース
ニュース
2006/10/27
貸金業規制法改正案、中身の慎重チェックが必要 鳩山幹事長


 鳩山由紀夫幹事長は27日、国会内で定例会見を行い、貸金業規正法改正案、共謀罪、閣内不一致の発言が続く安倍政権への対応等について言及した。

 自民・公明の与党両党が、貸金業規制法改正案で焦点のひとつになっていた少額・短期の貸し出しに限って高金利を認める「特例措置」の導入を見送ることを決定した問題については、「方針転換して、結果として民主党案と同じ方向になった。さんざん混乱した論議のあとに特例措置を撤回することを決めたと聞いている」と指摘。民主党の長妻昭議員の調査によって、借り手の自殺により貸し金を回収する実態も明らかになったことにもふれ、「こういう方向になったことは民主党案への賛意が示されたということで評価したい」と述べた。そのうえで、貸し金業界が大蔵省・財務省の天下り先になっていたとの指摘があるとして、そうした背景を考慮し、法案ができた段階で抜け道がつくられていないか、慎重に中身をチェックする必要があるとの見方を示した。

 「共謀罪」創設を柱とした組織犯罪処罰法改正案の今国会成立を与党が断念した件も取り上げ、「成立をあきらめたとの報道はあるが、廃案ということはない。隙あらば甦ってくる可能性もある」と述べ、十分な警戒が必要だとした。同時に鳩山幹事長は、国際条約の制定過程で「わが国にはなじまない」との認識が日本政府から示されたこと等も考慮し、廃案にしてゼロベースで検討べき法案だとの認識を重ねて示した。

 麻生外務大臣の核保有発言に続き、下村官房副長官が軍慰安婦問題をめぐり「おわびと反省の気持ち」を表明した93年の河野洋平官房長官談話を見直す必要があるとした発言にも言及。発言はもとより、安倍首相が「まったく問題ない」「個人としての発言」「私の発言が内閣の意見」などとしていることが問題だとした。閣内の一員による発言は重い責任を問われる発言で、政府発言に通じるものであるとの見方を示した。また、麻生外務大臣発言については「閣内不一致であることは論を待たない」と厳しい口調で批判し、早急に政府としての考えを一本化し、修正を加えるべきだとした。

 続いて、クマによる被害が続出している問題にふれ、亡くなられ方へのお悔やみとお見舞いを表明。環境悪化による問題との見方を示し、里山対策等をしっかり行っていくことが大事だとしたうえで、民主党として現地調査を行っていく考えを示した。

 そのほか、防衛庁の省昇格を柱とする防衛庁設置法等改正案への対応、全国各地の公私立の高校に広がっている履修単位不足問題に関して、記者団からの問いに答えた。
記事を印刷する