ニュース
ニュース
2006/10/31
政権政策委員会第4回会合で「外交安全保障」「農業・環境」議論


 党の基本政策作成のために設置された「政権政策委員会」の第4回会合が、31日午後党本部で開かれ、冒頭で小沢一郎代表が「大事な安全保障の論議。精一杯議論をつくしていただきたい」と挨拶し、2時間近くにわたって意見が交わされた。

 会合後に事務局長の松本剛明政策調査会長が記者団に答え、「外交安全保障」「農業・環境」をテーマに議論されたことを報告。外交に関しては、小沢代表ビジョン(私の基本理念・基本政策 下記ダウンロード参照)の前文にある、「人間と人間、国家と国家との共生…、もう一つは人間と自然との共生」とする外交についての基本的理念は、文章をそのまま党の基本政策案に書き込むことになったとした。また、真の日米同盟の確立、アジアの近隣諸国との信頼関係の構築、核廃絶の理念、自由貿易協定(FTA)締結の推進、ODAの改革等を盛り込む方向で、概ね整理された。

 自衛権の行使については、代表の考えでもある「わが国の有事の場合に、これまでの個別的・集団的という概念の議論にこだわらず、わが国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って、自衛権を行使する。それ以外は行使しない」との内容で整理された。

 国連への協力に関連して松本政調会長は、「改めて世界の平和を考えたときに、ある意味では国連は未完のところもあるが人類が得た大きな財産だ」との考えを示し、国連を重視して、さらに前進できるよう、国連の体制を整えるとの理念を明記したうえで、国連平和活動には積極的に貢献するという文言を明記するとした。

 農業・環境については、「一部に中身も読まないとしか思えない、ばら撒き批判があるが、財源も土木予算を充てると具体的な政策を民主党は訴えてきているので、そこは説明していけばいい」との意見が出されたことを明らかにしたうえで、個別所得保障を盛り込んでいく考えを示した。また、持続可能な農山漁村のあり方を環境政策の観点からも示していくとした。

 国連待機軍は議題に上ったかとの記者からの問いには「待機軍という言葉は使わなかった」と松本政調会長は述べたうえで、小沢代表のビジョンにある、「国連を中心とする平和活動については、国連の要請に基づいて積極的に参加する」との部分をそのまま民主党の基本政策に盛り込んでいくことを重ねて明らかにした。

 自衛権の問題については、本質的にわが国の急迫性の侵害を受けた場合ということで縛ると説明。待機軍や集団的自衛権の問題に関して小沢代表の言及があったかとの記者団からの問いには、「日本が侵害を受けて、同盟国である米軍が来援に来て攻められたとき、わが国がいっしょになって守るのは当然。それが守れるか守れないのかがあいまいになっている点は整理しなければいけない」との代表からの指摘があったことを説明した。そのうえで、「日本が侵害を受け、同盟国が来援している場合に攻撃を受けたときは、いっしょに行動できるとわかるように書く」との認識で委員会参加者の考えが一致したとした。

 核廃絶の問題を改めて言及する意図は何かとの記者の問いには、この間の麻生外相らの発言による影響もあると述べるとともに、もともと民主党の主張であり、現下の内外の情勢を踏まえて再確認が必要との観点で盛り込むことになったと回答。「政府の考えが『(相手国が核を)持ったら(自国も)持つことも考えてやる』というのであれば、われわれが目指す日本の安全保障のアプローチとは、根本的に違う」とも語った。
ダウンロード
PDF 小沢代表ビジョン(私の基本理念・基本政策)
記事を印刷する