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2006/11/14
【衆院本会議】少年法厳罰化は慎重に 平岡秀夫NC法務大臣が




 平岡秀夫『次の内閣』ネクスト法務大臣が、衆議院本会議で14日午後、少年法等の一部改正案に対して、民主党・無所属クラブを代表して質問に立った。平岡議員は、厳罰化を内容とするこの法案は少年法の精神を後退・変質させるものであるとして、慎重審議を求めた。

 まず、平岡議員は、少年事件に厳罰化で対応することが、問題の抜本的な解決になるのか疑問だとして、所見を求めた。長勢法務大臣は「厳罰化だけで対応できるものでなく、教育などさまざまな対応が必要」と型通りに答弁、柳澤厚生労働大臣も「厳罰化を意図したものではない。育て直し、自立支援を図るもの」と答え、疑念には答えなかった。

 次に法案の具体的問題点について、平岡議員は質問し、警察官に任意調査権を与えることは疑問だとして、調査はあくまで児童相談所と家庭裁判所が主体であるべきで、必要に応じて警察に両者が調査協力を求めるようにすべきだとした。法相は「警察官が調査するのが最も適切」と答え、事件調査に重点を移す考えを示した。

 また、平岡議員は、警察の取調べに関して、自白強要、虚偽自白を生み出すのではないかとの疑念を示した。さらに、調査対象が際限なく広がるのではないか、との疑念も示した。法相は自白に関しては「少年の特性を踏まえて調査する」、調査対象の拡大に関しては「懸念は当たらない」とのみ答え、具体的な対処方針は示さず、疑念を払拭するには至らなかった。

 最後に、平岡議員は、安倍首相の「美しい国」から「『家族が仲良く暮らすのが一番の幸せ』という価値観は、守り続けていくべきと思う」を引き、「残念ながら、幸せな家庭環境に恵まれない子どもたちは大勢います。そのような子どもたちに、幸せな家庭環境にできる限り近い生活環境を提供していくのは、我々大人の責務ではないか」として「大人としての責務を怠って、子どもたちに厳罰化で臨もうという今回の少年法改正案は、残念ながら、非常に多くの問題点を多数含んでいると言わざるを得ない。法務委員会で徹底して慎重審議を行う必要がある」と指摘して質問を終えた。

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