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2006/12/01
【参院本会議】峰崎議員、グレーゾーン金利の即時撤廃主張


 民主党・新緑風会の峰崎直樹議員は1日、出資法の上限金利(年29.2%)を利息制限法の水準(15〜20%)に引き下げることで「グレーゾーン金利」の廃止などの措置によって、多重債務者問題の解決を目指す「貸金業規制法改正法案」に関して代表質問に立った。

 法案の背景となる現状認識として、小泉政権がもたらした格差社会の拡大によって非正規労働者が増大し、その結果、自殺者は年間3万人を超え、その3割以上は借金苦によるものであると指摘。さらに借金の取立てや多重債務を苦にして夜逃げする人は年間数万人を数えることに言及し、深刻な状況を浮き彫りにした。

 「貸金業規制法改正案の作成過程において、政府・与党は金融庁が当初つくった法案をめぐり、失態を演じた」と指摘した峰崎議員は、グレーゾーン金利の廃止に対し、最後まで議論が迷走し、後ろ向きだった政府・与党の姿勢を問題視した。結果的に民主党が7年前から主張してきた出資法の上限金利を20%にまで引下げることになった今回の改正について、「概ね3年後の廃止」ではなく、「直ちに廃止すべきだ」と指摘して、山本金融担当大臣の見解を求めた。金融担当相は、現在の借り手が急激な貸し渋りなどの影響を受けないよう配慮しつつ、借り手が無理のない返済ができるよう考慮したなどとした。峰崎議員は同時に、民主党が引下げを提案した7年前に実行していれば、多重債務者も自殺者数も減らすことができたとの認識を示し、政府・自民党の罪は重大だとした。

 峰崎議員はまた、今回の法改正に伴い、純資産額の基準の積み増しを求められている非営利金融の「NPO」バンクの問題も取り上げ、大都市以外では多額の資金が集めにくく、半数近くのNPOバンクは存続の危機に直面している実態を明らかにした。資金の積み増しは悪徳業者が隠れ蓑として利用することを防ぐためのものであり、事業の公益性を法で線引きするのは困難性はあるとの認識を峰崎議員は示しつつも、貸出先と金利を公開するなどの対応策をとることによって、NPOバンクが存続できるよう、例外を認めるべきである点を指摘した。さらに、リース業が貸金業規制の対象とならないことを問題視し、一般にリース会社はリース料の支払いにおいては「料率」という業界独特の用語を用い、実効金利を開示していないリース業についても規制が必要だと主張した。
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