ニュース
ニュース
2006/12/09
民主党が今の政治の流れをまともな方向に 菅代表代行、函館で


 菅直人代表代行は9日夜、北海道函館市内で民主党北海道第8区総支部が開催した「民主党どうなんタウンミーティング&パーティ」に出席し挨拶。現在のわが国が置かれている内外の状況に強い懸念を示しつつ、政治の流れをまともな方向に変えていくため、民主党が全力を上げていくとの決意を語った。

 菅代表代行はまず、活発な政治活動再開に向けて現在リハビリ中の金田誠一衆議院議員について、8日金曜日に代議士会と本会議に金田衆院議員が出席し、顔色よく元気に挨拶された、などと紹介した。

 続いて菅代表代行は、年金生活者の皆さんから、どんどん税金がかかるようになり医療費の負担も増えて、「生きていけないという悲鳴のような声を聞く」と指摘。中央と地方の格差が拡大していることも含め、強い懸念を表した。また、農林水産業全般において自給率が低下していることも指摘し、「農林水産業をしっかりと立て直していかなければ、日本の再生はない」と語った。

 菅代表代行は更に、自立的に食料・エネルギー自給を行い、藩という分権自治の国のかたちがあり、恥という考え方を基礎にした倫理観、規律があった江戸時代について触れ、わが国や地球の将来を考えれば、「江戸時代は、めざすべき一つのモデルになる要素をたくさん含んでいたのではないか」などと指摘した。

 菅代表代行はまた、来年の統一地方選・参院選に向けて、党の基本的な考え方をまとめている最中であるとし、「政治とは生活である」との小沢代表の言葉を引きながら、政治の最も大きな役割は国民の生活そのものにあると力強く指摘した。

 また小沢代表とともに硫黄島を訪問したことについても菅代表代行は言及し、亡くなった方の半数以上の遺骨が、まだ収拾されていない状況であることを指摘。菅代表代行や金田衆院議員など、団塊の世代までは、戦争は直接知らなくともその余韻を知って育ち、戦争とは悲惨なものだという意識が強いとの認識を述べるとともに、戦争の余韻もほとんど薄くなった時代に育った比較的に若い世代は、そうした意識が希薄なのではないか、と強い懸念を示した。

 併せて菅代表代行は、唯一の被爆国日本が万が一にも核兵器を保有するようなことになれば、どんな国が核兵器を持とうと、誰もが止められなくなるとし、今の日本が置かれている状況は、まさに歴史の一つの節目にあるとして、その危機感を語った。また、民主党こそが、「今の政治の流れをまともな流れに変えていくために、一層がんばらなくてはならない」とし、参加者の皆さんの一層の支援を呼びかけて、大きな拍手を浴びた。
記事を印刷する