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2006/12/14
平成19年度税制改正について(談話)
民主党税制調査会長
古川 元久


○ 与党は昨年の総選挙の際のマニフェストで平成19年度に「税体系の抜本的改革を実現する」との約束をしながら、消費税の議論をはじめ、抜本的な税制改革議論をほとんどすべて先送りした。こうした態度は郵政民営化法案に反対して離党した議員を復党させたのと同じく、有権者の信頼を裏切る行為である。

○ 議論先送りの中で唯一、議論が活発に行われたのが、法人税減税の議論である。しかし現在の景気回復が大企業、なかでも輸出企業中心で、中小零細企業までは波及していないこと、個人消費が回復していないこと等を鑑みると、本来あるべき内需拡大による景気回復の過程にあるとはいえず、こうした個人や中小零細企業に対して、どう税制面からサポートしていくかを考えることこそ、いま喫緊に必要な議論である。とりわけこうした大企業を中心とする収益回復の大きな一因が長期にわたるゼロ金利政策により、企業の過剰債務がかなりの程度解消されたこと、またリストラや労働分配率の引き下げ、下請けに対するコストカットなどの、個人や中小零細企業の負担にあることを考えれば、個人や中小零細企業にまずは目を向けることは国民の立場に立てば当然である。

○ 民主党は中流から下流へと落ちていく、下への格差拡大を食い止め、個人と中小企業を勇気付けることこそが、現在早急に対応を求められている課題と考え、所得控除制度を税額控除制度へと改め、控除しきれない額については、その額を給付するという、所得税の抜本改革、オーナー課税廃止など中小企業を元気にする改革の実現などを目指し、来年の通常国会において、政府・与党と建設的で開かれた論戦を展開していく覚悟である。


以 上
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