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2007/03/26
【参院本会議】芝議員、「格差是正への有効策ない」予算案に反対討論


 民主党・新緑風会の芝博一議員が参議院本会議で26日夕、平成19年度予算3案に対する反対討論に立った。芝議員は「格差問題の是正に対し、何ら有効な施策を講じていない」として、国民の窮状無視で、格差是正への有効な手立てを講じない政府を批判した。予算案は賛成128、反対101で可決された。

 冒頭、芝議員は「予算案の中身はもちろんだが、総理のそっけない答弁姿勢や、圧倒的多数の議席に頼って、有無を言わさぬ議会運営を行ったことにおいても、予算案3案はとても賛成できない」と語り、反対の意思を改めて表明した。
 
 また、予算案審議の過程で浮上してきた政治とカネの問題に関して、政治資金規正法違反の疑いが濃厚な伊吹文部科学大臣や松岡農林水産大臣の事務所費の計上問題について、「疑いは当然」として、光熱水費が無料である議員会館にしか事務所を持たない松岡大臣が巨額の光熱水費を計上するのは、「明らかに不自然だ」と指摘。同時に「法令に従って報告済み」と再三再四繰り返すだけで、詳細を公表しようとしない両大臣の姿勢と、任命権者でありながら両大臣を指導するどころか、罷免要求も拒否して両大臣をかばい続ける安倍首相の姿勢を改めて問題視した。

 「民主党は、同じように事務所費や光熱水費について疑問を指摘された小沢代表、および同僚の中井衆院議員が、いずれも率先して領収書などを公表し、疑問に答えた」と芝議員は改めて説明したうえで、「これこそが国民の知る権利にこたえ、説明責任を果たす、政治家として当然のこと」だと表明。「政権を担当する自民党は恥を知るべきだ」と語気を強めて批判。「シラを切る大臣の姿をテレビで見た、将来の有権者である子どもたちにどれほどの悪影響を与えたことか」と述べ、「どこが『教育再生』か」ときびしく指摘し、政治資金規正法の改正について自民党は何ら対案を示さないばかりか、安倍首相も口先だけで、指導力を発揮しようとしていない実態をも浮き彫りにした。
 
 そのうえで芝議員は予算案の最大の問題点として、「所得、雇用、教育、福祉など国民生活のあらゆる面で広がっている格差問題の是正に対し、何ら有効な施策を講じていないことにある」と指摘。民主党の追及によってやっと政府が打ち出した「成長力底上げ戦略」は、実効性に疑問符が付く内容であり、同時に「再チャレンジ支援策」や「フリーター・ニート対策」も中途半端な内容であり、効果が期待できないとの見方を示した。
 
 「政府は後半国会で、わが党の格差是正緊急措置法案を参考にして具体策をつくるべきだ」と提起。格差是正に真剣に取り組むことこそ喫緊の政治課題であると重ねて強調した。

 「郵政造反組議員の復党問題や、官僚の天下り規制問題などをめぐり、自民党と首相官邸の間で溝が目立ってきている」と述べ、安倍首相の統治能力に疑問を呈した。そのうえで芝議員は、「政治決戦の年」における民主党の勝利を力強く表明。「野党の先頭に立ち、いずれの選挙においても勝利し、1日も早く政権交代を実現させるつもりだ」と改めて訴え、反対討論を締めくくった。
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