民主党B型・C型肝炎総合対策推進本部(本部長:菅直人代表代行)は28日昼、柳澤厚生労働大臣に対して、肝炎対策に関する申し入れ書を渡した。申し入れ書では、(1)厚生労働大臣による、原告患者との面談(2)治療費助成を含む総合的、抜本的な患者救済、の2点を実現するよう要望した。
本部長代行の仙谷由人衆議院議員は「この(3月23日東京地裁において国の敗訴が決定した)判決を前向きに受け止め、対応に踏み出してほしい。いろいろな事情もあるだろうが、いいきっかけになる時点であり、政治的な英断で原告・弁護団と面談を」と訴えた。
山井和則議員は、薬害肝炎原告団が面談を求めて抗議の座り込みを始めたことにも言及。「最高裁までいったときには手遅れになりかねない。命が失われてからでは意味がない」と述べ、体調の悪い原告団が、今しかないとの思いで他のウィルス性肝炎患者のためにも抗議行動をとった意味を重く受け止めるよう強く要請した。
柳澤厚労相は、申し入れ書を「しっかりと受け止める」と述べる一方、訴訟継続中の原告団と協議することは三権分立に反するとの理由で、原告患者との面談には否定的な態度を示した。これに対して、副本部長の家西悟参議院厚生労働委員会委員は「B型肝炎においては最高裁で判決は確定しており訴訟中ではない」として、原告と会わない理由にはならないと質した。
申し入れ後に記者団に問われて仙谷本部長代理は、超党派での全面解決の方向を探っていたが、与党の動きが鈍いために申し入れという形をとったと言明。また、厚生労働省が実態を把握していないと改めて批判、そのことが患者救済対策を躊躇させている一因となっているとの見解を示した。民主党としては今後、患者の実態把握とともに委員会審議をはじめ、厚労省に対しては適宜働きかけていく方針を明らかにした。
申し入れには、副本部長の三井辨雄『次の内閣』ネクスト厚労相、柚木道義事務局長、家西悟、大島敦、岡本充功、菊田真紀子、郡和子、田名部匡代各衆議院議員が参加した。
なお、申し入れ後には、厚労省前で厚労相に対する抗議の座り込み集会を行っている薬害肝炎原告団の方々を訪ね、申し入れの報告をするとともに、行動への労をねぎらった。
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