ニュース
ニュース
2007/04/20
【衆院教特委】沖縄戦集団自決の軍関与への認識質す 菅代表代行




 菅直人代表代行は、衆議院教育再生特別委員会で20日午後質問に立ち、沖縄戦での集団自決に関して、教科書検定で軍の関与があったとする記述が修正意見によって、削除されたケースを取り上げ、安倍首相に認識を質した。

 菅代行はまず、伊藤長崎市長射殺事件に触れ、お悔やみを述べるとともに、事件を「言論が暴力で封殺されることがあってはならない。民主主義への重大な挑戦」だとして、首相にその認識を質した。首相は、「暴力に屈することがあってはならない」と答えたが、代行の質問を「ここで取り上げるのは言いがかり、不謹慎」と異常な反応を示した。

 菅代行は次に、首相の自虐的偏向教育の是正の考えを取り上げ、それを教育再生の第一と考えているのかと質した。首相は、「一定のイズムによる教育ではいけない。バランスが取れていることが大切」と答えた。

 また、菅代行は、本日付けの沖縄タイムズに、沖縄戦での集団自決に関して「軍命の証言次々」とあることを示して、教科書検定の経過を質問した。伊吹文部科学大臣は、「教科書検定には介入していない。軍の関与がないとは書いていない、全くなかったとか、あったとかは書かれていない」と答えた。この答弁に対して、菅代行は、4年前の検定と変わった根拠を再三にわたって求めたが、伊吹大臣は、具体的には根拠を示さず、軍の関与がないとの意見もあり、一方に偏ってはいけないとするだけであった。

 菅代行は、沖縄知事が今回の教科書検定について「個人的には疑義がある」としていること、当時の沖縄が軍・官・民の共生・共死であったこと、手榴弾による自殺などを挙げ、「どうして軍の命令・指示でなかったと言えるのか」と迫り、首相の認識を質した。首相は、「私が一々ここで言うべきでしょうか」として答弁を避けた。これに対して、菅代行は従軍慰安婦に対する質問には答えているとして、答えないのは「政治家として卑怯」と論難した。

 また、菅代行は、自虐史観云々と言い募ることがかえって、河野談話、村山談話などで決着した問題にアメリカでの議論など再び火をつけたのではないかと質した。首相は「関係ない」と答え、この問題の重大性を何ら理解していないことを示した。

 最後に菅代行は、教育には地域の力が大切であるとの党の教育に関する基本方針を述べ質問を終えた。
 
記事を印刷する