民主党は9日午後、「国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案」はじめ4案からなる「天下り根絶法案」(下記ダウンロード参照)を衆議院に提出した。
国家公務員の天下りあっせんを全面禁止する内容となっており、あっせんを官民人材交流センターに一元化するとしている政府の国家公務員法改正案の対案となる。
民主党案では「再就職の制限の強化」として、国家公務員の天下りを原則禁止する期間を離職後2年間から離職後5年間に拡大。天下り先の規制対象を営利企業に加えて非営利法人等に拡大した。また、「政府によるあっせんの禁止」として、各省庁による職員に対する再就職のあっせん等の関与を禁止、「人材バンク」も設置しないこととした。
このほか、「退職職員の働きかけ行為の禁止」として、退職職員は離職後10年間は、離職前の在職機関の職員に対し、離職後5年間は働きかけ行為を禁止、あわせて「国が関与する限り、再就職先はあっせんを断れない」との観点で定年前の退職を勧奨することを禁止することを定めている。地方公務員については離職後5年間は天下りを原則禁止、特殊法人や独立行政法人の役職員は、離職後2年間を原則禁止としている。
法案提出は馬淵澄夫、武正公一、泉健太、寺田学、鷲尾英一郎各衆議院議員が行い、提出後の会見には松本剛明政調会長が同席した。
会見で松本政調会長は政府案の問題点について、「結局、天下りが残ることになると思っている」と述べ、なぜ、ハローワークや民間の就職あっせんの方法を活用しないのか疑問だとした。そのうえで、「国が再就職先を確保するのは政府の権限を生かしたあっせん以外の何者でもない。そういう形で確保された就職に関しては、当然それに対する見返りなくしてはできないことになる」とも述べ、天下り根絶には到底つながらないことを指摘した。
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