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2007/05/14
【衆イラク特】情報開示徹底し、慎重審議を要請 神風議員
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 民主党・無所属クラブの神風英男議員は14日午前の衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会において、政府提出の「イラク特措法改正案」と民主党提出「イラク特措法廃止法案」に対して質問を行なった。

 冒頭、神風議員はイラクの現地状況や自衛隊の活動内容に関する情報公開がなされていないことを指摘し、実態把握が全くできていない状態をつくり出している政府を批判した。

 その上で現地視察を行なった民主党案提出者の笹木議員にイラクの実態について質問。笹木議員は「全く情報が開示されない。現地で自衛隊の方々に聞いても教えていただけない。このことは国会の審議においても同様であり、シビリアンコントロールの前提を否定している」と、国防の基盤を崩している政府を批判した。

 神風議員はまた、対イラク武力行使の正当性について麻生外相に質問した。麻生外相は根拠とされる国連安保理決議678を引用し、「地域の平和及び安全の回復のためにあらゆる手段を取る権限を与えるとしている」との認識を示したが、神風議員は「安保理決議678は90年のイラク軍によるクウェート侵攻に対し、クウェートの安全と平和を回復するために必要な手段をとる権限を与えたものに過ぎないとし、米英軍がフセイン政権を武力行使で打倒するという事は決議の中のどこにもない」と政府の拡大解釈を指摘した。

 続いて神風議員は安倍総理に対して、6万7000人もの死亡者を出したイラクの惨状を招いた責任についてふれ、「イラクが12年間にわたり累次の安保理決議を違反し続けたことの方が重く受け止めるのか」と質問した。安倍首相は「多くの犠牲者が出たことは残念であるが、大量破壊兵器を廃棄することをイラクが証明しなかったことは保持し続けていると考えるのが合理的な考えである」とした。

 さらに神風議員はイラク戦争支持の正当性についての認識を民主党案提出者の末松議員に質した。末松議員は「政府が引用した国連決議678や1441はクウェート解放のための決議であって、全くのこじつけである。国連査察団の調査で実態把握ができたはずにも拘らず、米英軍は武力行使に踏み切った。その中で起きた戦争に自衛隊を送り出すことは到底出来ない」と米国追随の政府の姿勢を批判した。

 最後に神風議員は「現在米英軍では3400人程度の死者が出ている」としたうえで、幸いにも自衛隊の被害が出ていない状況であるからこそなお更、「慎重な審議を重ねていくことが必要である」と締めくくった。

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