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2007/05/28
松本政調会長、長妻議員 社保庁改革・消えた年金問題で会見
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 松本剛明政調会長、長妻昭政調会長代理は28日午後、「社保庁改革・民主党案」と題して、東京・千代田区の日本記者クラブで会見を行い、年金記録漏れ問題に関する緊急対策を行うべきと主張し、その具体策を発表した。対策は、該当者不明の年金保険料の納付記録約5000万件をすべて調査して納付者を確定し、年金請求権の時効を撤廃して支給漏れを解消していくべきとするもの。

 松本政調会長は冒頭、衆議院厚生労働委員会で審議を打ち切り、強行採決に至った与党の横暴を改めて指摘。 同時に、民主党は3年前の参議院選挙では年金制度そのものを変えていく必要があると訴え、国民にとって受給額が見えない状況を根本的に解決すべきと主張してきたことを明らかにした。また、「現行制度の運用の問題として消えた年金の問題が起こった」とも指摘。この機会に年金制度について改めて訴えていきたいとした。

 そのうえで松本政調会長は、「負担も公平に、受け取る形も公平にを目指していく」として、年金一元化を目指して行く民主党案を説明。中身は最低保障年金と所得にあった年金の二階建てとなっていると説明するとともに、最低保障年金は消費税5%相当額で確保していくことを明らかにした。

 さらに、今国会では国民の保険料納付の利便性と管理の合理性を最優先し、社会保険庁を廃止し業務を国税庁に統合して「歳入庁」を設置する「歳入庁設置法案」、年金保険料の流用を禁止する「年金保険料流用禁止法案」、消えた年金記録の被害者を救済する「消えた年金記録被害者救済法案」からなる年金信頼回復3法案を提出したことを改めて説明した。

 松本政調会長はまた、与党が強行採決した社保庁改革関連法案に定めた、非公務員型の特殊法人「日本年金機構」への改組についてもふれ、「非公務員にする」と主張するが、「非公務員化は実態は何ら変っていない」と指摘し、その内容は職員の給料全額が税金で賄われる、天下りし放題になる特殊法人をつくることにほかならないとした。

 また、強行採決後一転して、消えた年金問題に関する調査を指示した安倍首相の姿勢について、「選挙目前になって一転して舵を切ったが中身はない」と批判し、その対策は調査方法が不十分であること、こうした事態を招いた責任は政府にあることを重ねて指摘した。
 
 続いて長妻議員は、「消えた年金記録」問題を追及・実態を明らかにするまでに至った経緯を説明。国民からの窮状を訴える声をもとに社会保険庁に情報開示を求めたが最初は「一切ミスはない」の一点張りで、持ち主不明の記録はないとの主張が繰り返されたとした。

 長妻議員は「消えた年金記録」には(1)今回明らかにされた宙に浮いている記録約5000万件に入っていない、入力がない、物理的にまったく消滅してしまったもの(2)生年月日がまったく入っていないなど、不完全なデータで統合できない実質的に消えているもの(3)記憶を甦らせたり、名前の読み違えなどが発見できれば統合できるデータ――の三つに分かれると説明。

 長妻議員はまた、データ入力を開始した当時、かな入力しかできずに、ふり仮名がふられていない手書き台帳から推定で読み取り、入力していった実態を明らかにし、誤入力は容易に発生し得るとした。同時に、紙データとマイクロフィルムとを照合していけば、宙に浮いた年金記録の多くは入力ミスを実証できると指摘。また、社会保険庁の怠慢によって招いた事態である以上、「時効」を無くすのは当然と強調。全容究明と被害者救済に向け、民主党は引き続き力をつくしていくことを改めて訴えた。

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