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2000/04/10
「森首相誕生までの密室劇は、国民無視の秘密主義」鳩山代表が代表質問で
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森喜朗新首相の所信表明演説に対する代表質問が10日、衆院本会議で始まった。民主党からは鳩山由紀夫代表と枝野幸男政調会長代理が質問に立った。自民党の野中広務幹事長の鳩山代表攻撃に対し、枝野議員が即座に反論するなど、森内閣との論戦は緒戦から激しい火花を散らした。

 鳩山代表は、小渕前首相の入院から森首相誕生までの不透明な密室劇について、 (1)入院からその事実が国民に知らされるまで、22時間もの時間が置かれたのはなぜか。(2)その間、何があったのか。自民党内の派閥間調整と公明党の了解を取り付ける工作ではないか。(3)青木官房長官は会見で「首相に意識があるかどうかも承知しない」と述べながら、翌朝には「臨時代理を本人から指名された」と発言した。それが事実なら、なぜ直後の会見で発表しなかったのかなどの疑問について明確な説明を求めた。

 そのうえで、「密室劇の背景にあるのは、国民を無視した前近代的な秘密主義そのもの。民主党は、一切の秘密主義を排するよう強く求める」と述べた。

 これに対し、森首相は「経緯に何ら問題はない」と答え、青木官房長官は「総理の病状の公表は急いで対応する必要があると同時に、病状が分からない段階で混乱を招くことがないよう、慎重に対応する必要があると私が判断した」「2日の午後7時ごろ病院に行き、短時間だが(小渕)総理と会った。その際、総理より『何かあれば万事よろしく頼む』旨の指示を受けた」等と答えた。

●「森政権の正当性に大いなる疑義あり」

 鳩山代表はさらに、「森新総理の誕生には実に不可解なことが多く、二重三重の虚偽に包まれている。」と指摘し、「森政権の正当性には大いなる疑義がある」と主張した。しかし首相は、「私は衆参両院で指名された。疑義はない」などと突っぱねた。

 鳩山代表は、森内閣の政策についても「新政権が何をしようとしているのか、全く理解できない」と述べ、(1)警察不祥事の責任が問われている保利国家公安委員長をなぜ再任したのか。(2)警察の信頼回復や教育改革に取り組むと言うが具体的に何をするのか。(3)所信演説で「経済の大胆な構造改革に取り組む」と言及したがバラマキ政策をストップさせる覚悟があるのか、などを追及。さらに森首相の「エイズがきた発言」「韓国労働者蔑視発言」など、相次ぐ失言を取り上げ、「人権感覚ゼロのこうした発言は森喜朗に染みついたものではないか」と批判した。

 鳩山代表は景気についても言及。今年度の名目成長率がマイナス0・4%を下回ることが確実なことなどを挙げ、「前政権から引き継いだ0・6%成長の公約は達成できるのか」とただしたが、首相は「平成11年度はおおむね実績見込み程度の成長実現を期待している」など、脳天気に答えた。

 鳩山代表は最後に、民主党と自民党との違いについて「政官業のゆ着構造から解放された若さゆえの覚悟にある」と述べ、「国民の審判を受けていない以上、選挙管理内閣として一刻も早く解散し、21世紀の未来を国民の審判に委ねるよう」強く求めた。

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