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2007/06/27
法務省に新司法試験漏洩問題の徹底解明を要求――法務部門会議
 民主党法務部門会議は26日午後、国会内で会合を開き、今年5月中旬に実施された法科大学院修了者対象の新司法試験をめぐって指摘されている問題漏洩疑惑について法務省から説明を聞いた。

 法務省の担当者からは、新司法試験実施後の6月上旬頃から、行政法担当の新司法試験考査委員を兼任する植村栄治慶応義塾大学法科大学院教授が同大学院で課外の受験指導をしており不公平であるとの通報が寄せられるようになったことを受け、現在(1)今年2月から3月頃にかけて、同大学院の3年生などを対象に複数回にわたって学内で課外の答案練習会を行うなどしたこと、(2)試験直前に同大学院の新司法試験受験者に対し「本試験の論文の解答を試験直後に再現し、8月27日以降に送ってくれれば、それを採点してあげる」とのメールを送ったこと――の2点について事実関係を調査中であり、その結果を踏まえ、厳正に対処する予定であるとの説明があった。

 これに対し出席した民主党の議員からは、「試験を行う側が一部の受験者と通じていたというのは、まるで公安調査庁問題と同じ構図ではないか」「他の受験者らから多数メールが来ているが、皆『不公平だ』とものすごく怒っている」など、新司法試験の公正さを害する行為に対して厳重な対応を求める意見が相次いだ。

 一方、「他の科目でも問題漏洩の疑いが指摘されているが、どのように対応してるのか」との質問には、「そのようなメール等はいただいているが、(個々の法科大学院での指導の)中身を知り得る立場にないので・・・」と法務省の担当者は現時点で何ら対応していないことを認めた。

 これらの質疑を踏まえ、民主党法務部門としては、植村教授が行った答案練習会の問題文などの資料、これまで法務省に寄せられている他の科目での漏洩の疑いについての指摘内容とこれに対する対応状況、すべての考査委員について同様の受験指導を行っていないかどうかの実態調査結果――などの資料をすみやかに提出するよう、その場で法務省に求めた。また、近く開催される見込みの衆議院法務委員会などでもこの問題を取り上げて問題漏洩疑惑の徹底解明を求めていくことを確認した。
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