民主党・新緑風会の直嶋正行参議院議員は12日、参院本会議で森首相の所信表明演説に対する代表質問に立ち、雇用対策や社会保障改革、財政再建などについて政府の見解をただした。
直嶋議員は、政府が国民に老後の見通しや失業など将来のさまざまな不安を与えていることが消費を引き締め、経済の本格回復を妨げていると強調。
続いて、(1)深刻さを増す雇用情勢への対策は具体的にどうするのか(2)急務となっている年金制度の再構築や政府が約束した医療の抜本改革をどう行うのか(3)645兆円に達する国と地方の赤字の解消に向けた財政改革のビジョンをいつ取りまとめるか――などについて説明を求めた。
さらに直嶋議員は、森首相が所信表明演説で何ら新しい理念や政策を打ち出していないと指摘し、「前政権と同じ政策を続ければ国民の将来不安と政治不信を高めるだけだ」として、一刻も早い解散・総選挙を要求した。
これに対し森首相は、「雇用創出策の推進、能力開発教育の促進」といったスローガンを抽象的に並べる一方、年金関連法採決や医療報酬費の引き上げなどこれまでの悪政を「年金への信頼を揺るぎないものにした」、「医療改革に向け一歩を踏み出した」と自画自賛。財政改革についても「本格的景気回復が実現してから」と何もビジョンを示さなかった。
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