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2007/08/10
官房副長官、厚労副大臣に原爆症認定訴訟の控訴断念を要請
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 10日午前、首相官邸において、高木義明国対委員長(民主党被爆者問題議員懇談会会長)は下村博文官房副長官に対し、原爆症認定訴訟の控訴断念を求める要請書を提出した。

 これは、被爆者が国を相手取り原爆症認定の却下処分取消しを求めている裁判で、先月30日に熊本地裁が原告19名について却下処分を取り消し、原爆症と認定する判決を言い渡したことを受けたもの。国の敗訴は6度目で、過去の大阪、広島、名古屋、仙台、東京の各地裁判決に対し国はいずれも控訴している。

 高木委員長は下村官房副長官に対し、現行の機械的な認定基準が被爆の実態にそぐわないとする6度の司法判断を真摯に受け止め、控訴を断念するよう求めた。また、基準を見直すための専門家には、被爆者の立場に立った基準となるよう、医学的知見の進歩によって明らかになりつつある残留放射線などの影響に通じた専門家を加えるべきだとした。

 これに対し下村副長官は、専門家の人選について「今までの延長線上ではいけない」と述べたものの、控訴については関係省庁にて検討中との従来の政府見解を繰り返すにとどまった。

 要請文では、今月5日に安倍首相が原爆症認定基準の見直しを検討するよう指示したことに対し、見直しの方向性は全く示されていないと批判。さらに首相が「裁判とは別」として控訴の可能性を否定していないことについて、認定基準の見直しをすると言いつつ、認定基準を批判した判決を不服として控訴するのは矛盾していると指摘している。

 要請はこのほか石田祝稔厚生労働副大臣に対しても行われ、高木委員長のほか、園田康博(衆院厚生労働委員会理事)、松本大輔(懇談会事務局長)の各衆議院議員が参加した。

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PDF 原爆症認定訴訟の控訴断念を求める要請書(安倍首相宛)
PDF 原爆症認定訴訟の控訴断念を求める要請書(柳澤厚労相宛)
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