トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2003/06/18
北朝鮮問題に対する現段階での考え方
記事を印刷する

民主党 北朝鮮問題PT

1 北朝鮮問題への基本認識

* 拉致事件及び大量破壊兵器問題等の全面解決を見るまで、国交正常化はすべきではなく、経済援助はあり得ない。北朝鮮の核保有・拡散は絶対に認められない。
* 核拡散防止条約(NPT)の脱退、ミサイル発射実験、核兵器保有表明など、危険な瀬戸際政策をエスカレートさせている北朝鮮に対しては、日・米・韓をはじめ、中・露などとの政策調整が一層重要である。関係諸国の連携によって、「対話」と「圧力」により平和的解決をめざし、北朝鮮が国際社会において民主的な国の一員となるよう、積極的に働きかけるべきである。

2 国際的な取り組みの強化

* 米中朝の三ケ国協議が、地域の関係当事国たる日・韓両国を加えた枠組みになるよう、関係諸国に働きかける。
* 国連に対して北朝鮮問題の早期解決を促すなど、国際社会の関与を強く求める。国連安保理が北朝鮮への経済制裁を決議した場合、国連の方針に適切に応えるべきである。
* 安保理決議の有無にかかわらず、関係当事国たるわが国は、安全保障上の主体的な判断に基づき適切に対処できるよう、外為法、出入国管理法、港湾法、関税法、海上保安庁法、国連海洋法条約など、関係法令の解釈の見直しも含め、新たな規制のあり方を検討する。
* 北朝鮮問題の解決に向け、国際社会の協力を得るため、ODA(政府開発援助)を、わが国の外交目的を追求するツールとして、積極的に活用するとともに、韓国、米国、EU等との議員、政党、NGO等と連携した国際的取り組みを強化する。
* 「北東アジア・フォーラム(仮称)」の設置などにより、多国間協議の場で多角的に信頼醸成を図り、この地域の平和と安定及び発展を図る。

3 拉致事件

* 拉致被害者及び家族全員の早期帰国や安否情報の提示、現地調査、拉致行為への正式な謝罪と補償、原状回復等を最優先事項とする。
* 日朝2国間協議の再開、米中朝に日韓を加えた枠組み、国連安保理、国連人権委員会等の国際機関を活用した取り組みを強化し、拉致事件の早期解決を図る。
* 拉致被害者の全員帰国なくして、拉致問題の全面解決はあり得ないという観点から、拉致認定されていないものの、拉致された疑惑の強い失踪者の全容解明を政府は強力に推し進め、北朝鮮にも協力させるようあらゆる努力を行う。

4 武装工作船・不審船・万景峰号対策

* 安全保障上の主体的判断により、わが国独自で送金規制、資金洗浄の防止を可能とする外為法等の改正を図るとともに、実効性を確保できる国際的な協力体制を強化する。また、現行法令により船舶検査、構成員の出入国規制、貿易・入港規制等の徹底を図るが、不十分な場合は、必要に応じ新規立法を検討する。
* 特に「北朝鮮のミサイルの90%は日本製、大部分が万景峰号で運ばれていた」旨の米国議会における北朝鮮の元ミサイル技師の証言及び麻薬覚醒剤・偽造通貨の密輸等の国家的違法行為に関する疑惑を考慮し、万景峰号などの北朝鮮の船舶に対し、安全保障上及び犯罪防止の観点から、周辺諸国と連携し、厳重な積荷の検査や乗組員の調査を行うとともに、関係法令の厳格な適用を図るべきである。
* 領海、接続水域、排他的経済水域の区別に応じ、武装工作船・不審船に対する海上保安官の危害射撃の要件を再検討するとともに、海上自衛隊及び海上保安庁等による監視体制を強化する。

5 大量破壊兵器及びミサイル問題

* 民間企業によるミサイルの不正輸出が明るみに出たことを踏まえ、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)に基づく輸出規制を徹底するとともに、他国の関係機関との協力も含め関係省庁の一体的取り組みを強化する。
* 米・韓・中・露などと協調し、国際原子力機構(IAEA)による査察の再開により、北朝鮮の大量破壊兵器の完全廃棄などを実現させる。

6 脱北者問題

* いわゆる脱北者に対し、人道上最大限の配慮がなされるよう海外出先機関の対応を
徹底させるとともに、弾力的な難民認定制度の運用を図る。
* 難民条約批准国たる中国の対応については、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に
も働きかけ、日本人妻、元在日朝鮮人、難民などに対するきめの細かい対応と人道上の配慮を強く要請していくべきである。
* 日本は、米・韓・中・露、EU、UNHCR、国際赤十字委員会(ICRC)やNGOなどと連携
し、出入国管理法上の「定住者」の弾力的な運用など、国際的な支援・救済策の早急な実施を求めるべきである。
* 避難民の円滑な移送、大量避難民を想定した場合の簡易迅速な入国審査、ゲリラ等
が紛れ込んだ場合の安全対策、海上自衛隊と海上保安庁との協力など、制度的支援態勢を確立する。

以上

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.