※以下は、民主党イラク調査団がまとめた報告書の概略を広報・宣伝委員会がまとめたもの。
1. 調査団メンバー及び日程表
(1)団員
末松義規衆議院議員(「次の内閣」イラク問題等PT事務局長=団長)
首藤信彦衆議院議員(「次の内閣」外務副大臣、外務委員会理事=先遣)
若林秀樹参議院議員(国際局副局長)
(2)日程
6月2日〜8日 ヨルダン(ヨルダン政府高官との会談)及びイラク(各方面の関係者との会談、視察)
2. 報告のポイント
1 戦争被害と支援ニーズ
* 米軍攻撃(バグダット)は、かなり正確なミサイル・ピンポイント攻撃であり、地上戦の痕跡はあまり見られないことから、限定された軍事目標のみ被害をもたらした程度。
* むしろ、主要な被害は、戦争時の広範な強盗・略奪・放火によって生じたもの。さらに、とくに、長年の軍事優先の政策がもたらす社会の疲弊に加え、13年間に及ぶ国連経済制裁による経済的ダメージが大きい。
* 従って、どのレベルまでの回復・復興が必要かという判断の下、短期・中期に支援ニーズを分けて詳細に検討していく必要がある。特に、前政権崩壊から暫定政権樹立までの混乱を最小化するための支援が必要。
2 イラクの治安・統治問題
* 復興における最大の問題は、フセイン・バース党政権追放による統治再編の大混乱を米国とイラク側諸勢力との話し合いの中でいかに収拾・安定化させていけるか否かに尽きる。その意味で、米国主導のしたOCPA(または、CPA。連合国暫定当局)の統治再編過程と、国連主導の国際的な経済復興努力は、車の両輪となるものであり、双方で適切な協力を行っていくことが重要。米国等の占領は、長期化となる見込み。
* 治安維持の要は米英軍が担っており、治安状況はかなり改善されているものの、米軍に対する小規模な反乱はイラク中西部を中心に継続的に生じている。
3 自衛隊派遣問題
* 多国籍軍のメンバーとなり得ない自衛隊の派遣については、治安維持などへの支援ニーズは否定し得ないものの、イラク国民に直接見え、手放しに歓迎されるような復興支援ニーズを特定することは困難。
* 現時点での治安状況では、戦闘区域と非戦闘区域を区別することは困難であり、最近の武装反乱活動などを考えると、現在の防護武器や、武器使用基準では不十分と言わざるを得ない。
* 純粋な支援マターと捉えるよりも、日米関係に焦点を当てた優れて政治的な問題とし認識すべきとの指摘あり。因みに、イラク戦争に反対してきた仏、独、加、露、中国は、軍隊派遣やOCPAへの要員派遣を行っていない。
|