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2003/03/20
対イラク武力行使に関する考え方
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1.基本認識

* 民主党は、国連安保理等を通じた国際協調体制が重要であるとの観点から、武力行使によらない平和的解決を訴えてきた。イラクは、これまで累次の国連決議を遵守しておらず、イラクに対して、改めて大量破壊兵器の完全な廃棄を促してきた。米国等に対しても、国連憲章に定める武力行使に関する国際法の原則に基づき、単独主義的な行動をとらないよう強く自制を促し、慎重な対応をとるよう要請してきた。

* イラクの大量破壊兵器に関する疑惑は完全に払拭されたとは言い難いものの、装備や人員など査察体制を抜本的に強化し、数ヶ月の期限を切って国連査察を継続すれば、国連安保理決議1441が意図したイラクによる大量破壊兵器の完全廃棄は十分可能だったと考える。

* ブッシュ政権等が、国連安保理での問題解決を放棄し、武力行使に至ったことは、国連軽視であるばかりでなく、2度の大戦を経て、「力の支配」から「法の支配」へ移行しようと努力してきた国際社会の真摯な取り組みに逆行し、国連憲章など国際法に違反する行動である。さらに、今回の武力行使は、国連安保理の機能不全を招来させるとともに、その権威の失墜につながり、断じて容認できず、武力行使の中止を求める。

* 小泉政権は、湾岸戦争時の国連安保理決議、及び武力攻撃を容認していない国連安保理決議1441を根拠に、ブッシュ政権の対イラク武力行使への支持表明をしたが、戦争の正当性などについて疑義・批判の声があがる中、国民に対して全く説明責任を果たしていない。小泉政権の対応は、国益等の観点からも極めて問題であるとともに、憲法の理念である国連中心主義と国際協調主義から逸脱した行為であり、支持表明の撤回を強く求める。さらに、このような重大な問題について、判断を誤った小泉総理の政治責任を厳しく問うものである。

2.当面の対応

* 国連安保理の機能回復のためにも、早急に米国等を国連の場に引き戻す働きかけを行うべきである。

* このような緊急時に、内外で不測の事態が起こらぬよう、国連などと連携しつつ、十分な監視体制を敷くとともに、邦人保護をはじめ、危機管理体制に万全を尽くすべきである。

* 新たな国連安保理決議がない武力行使については、戦費の負担は言うに及ばず、開戦の経緯から、戦後の占領に係る経費についても支出すべきではない。

* 人道的見地から、食料・医療支援などの避難民対策、トルコ・ヨルダンなど周辺諸国の安定化に努めるとともに、中東和平問題や国際経済への影響など、戦争に伴う被害を最小化するための多国間の協調体制を重視する。

* イラクの戦後復興のあり方については、国際的枠組みを踏まえつつ、わが国として果たすべき役割を主体的に検討していく。その際、国連安保理及び国際社会の動向を注視しつつ、慎重に判断していくものとする。

* 『テロ特措法』が拡大解釈なされぬよう厳格な適用を求める。

* OPEC等の産油国に対し、石油の安定供給に向けた取り組みを求めるとともに、日本やアジアにおいて、エネルギーの安定供給への対応を検討する。

以 上

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