民主党 政策調査会長 枝野 幸男
同 総合雇用政策特命担当大臣 城島 正光
本日、労働基準法改正案が民主党などによる修正を加えた上で衆議院において可決された。
民主党は、改悪ともなりかねない政府原案に対して、抜本的な修正案を提出し、働く者の視点に立った論戦を徹底的に展開して、その修正を迫ってきた。すなわち、(1)政府原案は今まで積み重ねられてきた解雇権濫用法理の運用を根底から覆す内容である。(2)政府原案が成立すれば、就業規則所定の解雇事由によって解雇権が制約されるとしてきたこれまでの判例が覆され、裁判実務が決定的に変更されることが予想される。(3)退職の自由が認められない有期労働契約期間の上限延長は、労働者の職業選択の自由、転職の自由、キャリア開発を阻害しかねない――以上の三点について、その問題点を解決する修正である。
今般、こうした民主党の強い要求を受け、与野党間で修正協議が鋭意行われ、結果、政府原案は大きく修正され、「使用者は労働者を解雇できる」という表現が削除されて、客観的に合理的な理由があることについて実質的に使用者に主張立証を求める、解雇権濫用法理の現在の裁判実務が維持されることとなった。また、契約期間の上限が一年から三年に延長される有期雇用契約について、契約して一年たてばいつでも退職できる旨、退職の自由を認める規定が整備されるなどの前進を見た。こうした修正が勝ち取れたことは、民主党のねばり強い交渉とともに、多くの働く皆さんの団結と行動の成果にほかならない。
今後、参議院においては、修正点の実効性の担保をさらに確かなものとするとともに、有期雇用契約、裁量労働制などの課題についてさらに議論をすすめ、労働法制に誤りなきを期すべく、全力をあげて取り組んでいく。
以上
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