民主党「次の内閣」法務ネクスト大臣 千葉 景子
在日外国人に係る諸問題に関するPT座長 江田 五月
難民不認定処分の適法性を問う「アフガン難民不認定処分取消し訴訟」について、本年3月27日、大阪地方裁判所は、原告アブドル・バセル氏が難民であることを認め、国に対し、原告に通知した難民の認定をしない旨の処分を取り消すよう言い渡した。
原告の難民性が問われた今回の判決は、審査基準が厳しすぎるという国内外の評価を踏まえ、日本の難民審査について、国内司法が一石を投じたという意味で大変重要な判決と考える。
また判決の詳細を見ると、難民認定の申請者の供述について、ささいな矛盾や事実と異なる供述等があったとしても、難民認定に関して本質的なものではなく、またはその申し立てそのものにとって特に重大でない限り、供述全体を信憑性なしと結論づけるべきでないという、いわゆる「灰色の利益」を認めたという意味でも画期的な判決であると考える。
民主党は、かねてから難民条約の遵守及び難民認定申請者の人権擁護の観点等から、日本の難民審査体制の不備について厳しく指摘し、必要な法整備の準備を進めてきた。
政府も内外から厳しい批判が加えられていることを背景に、不十分ではあるものの出入国管理及び難民認定法の一部改正法案を国会に提出し、従来の姿勢を改めようとしている。
このような情況を踏まえ、国はこの度の判決を厳粛に受け止め、控訴を断念したうえで速やかに難民認定を行うよう、強く求める。
以上
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