民主党ネクスト・キャビネット
NC外務・安全保障大臣 伊藤 英成
防衛庁は、情報公開請求者個人情報リスト作成に関わる処分を発表した。職員の個人的な行為の違法性は認めたものの、行為を誘発し黙認した上司や関係者の行為、庁内LANへの掲載行為などを含めた組織的な責任や原因、報告書発表時の恣意的な行為等に関わる幹部等職員の処分は不十分である。個人情報の扱いや情報管理の本質から目をそらす、その場しのぎで問題意識の低い、極めて甘い処分といわざるをえない。
今回の事件は、情報公開法や個人情報保護に関する法制の精神を著しく逸脱するものであり、防衛庁の個人情報に対する認識の甘さと、情報管理のずさんさを如実に露呈した。国会に調査報告をした際に、与党幹事長の関与による事実の隠蔽工作も疑われ、国会審議を混乱に陥れ、防衛庁そのものへの国民の信頼を大きく揺るがす由々しき事態となったが、今回の処分においては、国民への陳謝も説明も十分でなく、事態の重大性に対する認識も、自らを律する厳しい反省も感じられない。
政府全体への信頼がこれほど崩れた中では、有事関連法案、個人情報保護法案の審議もまともに出来るだろうか。国の平和と独立、安全を守ることを目的として設置されている防衛庁・自衛隊のゆるみきった意識、隠蔽体質を刷新することが緊要であり、厳正な処分と責任の明確化は当然である。さらに、防衛庁長官、ひいては内閣総理大臣の責任を問う。民主党は、関係者の参考人招致を含め、徹底的な事件の全容解明を行い、再発防止と防衛庁・自衛隊の刷新に向けて厳しく対応していく。
以上
|