民主党 ネクスト・キャビネット大臣
外交・安全保障担当 伊藤 英成
米国議会上院は13日(日本時間14日午前)に包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を否決した。
このことで、米国の対応をうかがっていた中国とロシアも批准を避ける可能性が高くなったばかりでなく、インド、パキスタン、北朝鮮にも署名引き延ばしの口実を与えてしまうことにもなりかねない。米国の対応によりCTBT発効への見通しが遠のき、国際的な核軍縮・核不拡散にブレーキがかってしまうことを強く懸念する。
10月8日まで開催されたCTBT発効促進会議で日本は議長国をつとめたが、関係国が早期署名・批准による条約の早期発効への道筋をつけるための役割を果たすことはできなかった。我が国は非核国、そして唯一の被爆国であり、核軍縮・核不拡散を外交上の最重要課題の一つと位置づけているが、日本政府は重要な局面でリーダーシップを発揮できず、外交能力に頼りなさを感じると言わざるを得ない。
民主党は、核実験・開発の全面的禁止、米露両国での核軍縮交渉の加速とそれを前提とした全世界の核弾頭の大幅削減、大量破壊兵器とその運搬手段の拡散防止等、核軍縮・核不拡散のための措置が実現するよう、関係国に求めていく。
以上
|