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1999/05/27
NATOのユーゴスラビア空爆停止を求める(談話)
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民主党幹事長  羽田 孜

 国際問題処理にあたっての大原則は国連の枠組みにおける解決を最大限めざすことである。国連安保理決議がない場合に地域的安全保障機構の一方的軍事行動を容認することは、国連憲章第8章の原則を形骸化し、国際社会に法と秩序を形成する努力に逆行するものとして厳に慎まれるべきである。

 今回の空爆について、NATOはユーゴスラビア政府によるコソボ在住アルバニア人弾圧という人道的惨劇防止のために取られた措置と説明している。われわれも人道的犯罪に断固反対する点に異論はない。人道的目的のためであれば、国連をはじめ国際社会の理解と協力を求める努力を徹底的に尽くすべきであった。しかるに今回の空爆の場合、国連の場における事前の交渉努力が十分に行われたとは言い難く、大変遺憾である。

 今回の空爆は誤爆や民間施設に対する攻撃など、国際法上も種々の問題を伴いながら出口のない軍事介入になってしまっている。ユーゴスラビア政府の対抗措置により難民の数も空爆開始後に却って急増するなど、空爆の目的及び効果そのものも不明確になっていると言わざるをえない。

 われわれは、ユーゴスラビア政府が国連の仲介に応ずる環境づくりのためにも、NATOが空爆を停止し、同時にG8外相会合で合意された原則を基本とした協議が国連の枠組みの下で行われることを強く求める。
 ユーゴスラビア政府も国連が仲介する交渉には積極的に応ずるべきであり、あまりに自己中心的強硬姿勢を貫けば国際社会の理解を全く失うことになることを十二分に認識すべきである。

 日本としても、直接当事者でないG8メンバーとしての立場を活用して積極的な外交的解決を働きかけていくべきである。

以上

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