民主党代表 菅 直人
本日、参議院においてガイドライン関連3法案が可決、成立した。民主党は、日米安保条約を堅持しつつもその運用については明確なルール化が必要であり、そのカナメは国会によるコントロールであると考え、修正を強く求めてきた。
しかし、結果として、自治体・民間協力に対する国会承認が認められず、また、船舶検査が削除され法案として極めて不完全になったことなどを踏まえ周辺事態法案には反対した。同時に、日米防衛協力の必要性を理解する立場からACSA改正案、邦人救出のオプションを拡大する意義を重視する立場から自衛隊法改正案には賛成した。
沖縄での公聴会実現など国会審議の成果もあげられるが、法案審議の過程で、自民・自由・公明の三会派が修正協議を通して悪しき意味での「国対政治」を展開したことは、法案の問題点の解明と運用の厳格なルールづくり、国民合意の安全保障の確立という国会審議の意義を損ねるものであり遺憾である。また、こうした経緯そのものが、同盟国や国際社会の不信感を招く危惧があると考える。
今後のガイドラインの運用については、周辺事態の認定を含め日本の主体性を確保すること、国民生活への配慮が十分なされること、などの観点から厳重に見守り、国会のチェック機能を追求していきたい。
また、「現状維持・対米追随」でも「現状否定・反米反中」でもなく、「日米安保を支持しながら主張すべきは主張する」民主党を主軸とする新しい政権の実現を広く国民に訴えていきたい。
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