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1998/12/21
平成11年度予算の大蔵原案内示にあたっての談話
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民主党政策調査会長 伊藤英成

本日、平成11年度予算の大蔵原案の各省庁に対する内示が行われた。陳情・ぶん取り合戦を繰り広げ、利権誘導を優先した旧態依然とした手法を取り、将来ビジョンや哲学・理念を欠き、行政改革や経済構造改革を後退させる『景気回復や国民生活建て直しにもつながらない欠陥予算』を編成したことは極めて残念である。政府は来年度実質0.5%の経済成長を見込んでいるが、かかる予算では来年度もマイナス成長になる可能性が高く、国内外の期待を裏切るものと断ぜざるを得ない。

* 公共事業費は上積みされたが、大胆な配分見直しに手がつかず旧来型の事業が大半となったことは不満である。年金保険料引上げの凍結だけを決め、給付と負担の将来像を明確にする年金制度改革を棚上げしたことは無責任と言わざるを得ない。

* 個人所得税、法人諸税等の約9兆4000億円の減税が盛り込まれているが、減税の遅れが景気悪化を拡大したことからすると遅きに失したと言わざるを得ない。所得税減税の大半が定率減税であり恒久減税等の抜本改革を見送ったことは、十分な消費刺激や国民の不安解消につながるものではない。私たちが提案してきたように、所得税の恒久減税、「子ども手当」創設、消費税目的税化等による年金保険料引き下げを三位一体で実施することが不可欠である。

* 財革法を凍結して財政再建より経済再建を優先させることは当然だが、一般会計規模が81兆円超、新発国債発行が31兆円超となったこと等に鑑み、まず政府自らが汗をかくとともに、行政改革、金融改革、経済構造改革に取り組みつつ、財革法の凍結期間に財革法の見直しや将来の財政再建ビジョンを策定すべきである。

* 政府開発援助(ODA)については、被援助国の自立支援の視点に立って、内容を厳しく審査し、一層の効率性、透明性を確保すべきである。防衛費については、物資調達制度の抜本改革に取り組むとともに、国民がわが国の防衛体制に不安を抱いていること等に鑑み防衛力の効率的整備を図るべきである。

* 予算編成における自民党、自由党の協力関係も不透明と言わざるを得ない。自由党は予算・税制改正の重点事項として消費税凍結などを求めているが、こうした項目が実現しなくとも予算を認めるのか、連立に参加するのか、国民に明らかにすべきである。

* 以上の諸点に基づき、この「欠陥予算」を見直して、国民の期待に応える政府予算案を編成するように政府に対して強く求めるものである。

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