民主党 景気・雇用対策本部
本部長 羽 田 孜
本日、政府は「緊急経済対策」を決定したが、景気状況の判断を誤り、なし崩し・小手先の対策による政策不況を招いた内閣の責任は重く、なんら的確な対策も講じないまま先の臨時国会を閉じてしまったことも不況に追い打ちをかけていると言わざるを得ない。
所得税、法人税等の恒久減税について、来年1月から実施することを望む国民の声を無視して先送りしたことは言語道断であり、今日の不況の深刻さを未だ認識していない証左である。このような小渕内閣の景気対策に対する安易な姿勢は、国民、市場、国際社会の期待を裏切るものであり、危機がますます拡大することを懸念する。
「事業規模で23兆円超」と見せかけの規模を膨らませていることも問題である。政府の対策案は、民主党が求める「国費で20兆円」の対策に比べると不十分であり、しかも構造改革につながる対策が全く欠落していることは納得できない。
21世紀型の社会資本整備が盛り込まれたことは評価するが、看板倒れに終わり旧来型の事業が大半となることを危惧するとともに、過大ともいえる地方の財政支出を前提としていることは、地方財政危機の拡大、地方経済の疲弊をもたらすことにつながる懸念がある。
財政構造改革法の凍結が盛り込まれたことも遅きに失するとともに、無節操な政策転換と言わざるを得ず、自民党内閣の責任を厳しく問いたい。
民主党は今月12日に「構造改革につながる景気・雇用対策」を発表し、中堅サラリーマンに手厚い所得税減税、法人税率の引き下げ、年金保険料率引き下げ、「子ども手当」創設、地方主体の社会資本整備、100万人雇用創出・新規事業創造等を柱とする具体策を提言している。景気回復と経済構造の改革のために、これらの施策の実現に向けて全力を注いでいきたい。
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