民主党の桜井充議員は、24日の参院決算委員会で、KSD問題に関連して平成12年度の「ものつくり大学」への補助金について質問。自民党の亀井静香政調会長らが当時の労働省に圧力をかけ、強引に補助金を増額した実態を暴き出した。
「ものつくり大学」関連の補助金は、労働省の予算概算要求の段階では50.3億円だったが、その後、異例の変更要求がなされ、71億円まで増額された。桜井議員は、その過程でどのような働きかけがあったかを追及。厚生労働省の酒井英幸職業能力開発局長は、「いろんな人たちからの要望があった」として、「ものつくり大学」総長の梅原猛氏をはじめ、99年11月には自民党の亀井政調会長からも働きかけがあったことを明らかにした。
桜井議員は、25日の委員会でも引き続きこの問題を追及。桜井議員は、外国人研修生の滞在期間延長を実現するため、国会議員に働きかけていたKSD関連財団の「中小企業国際人材育成事業団」(アイム・ジャパン、平成3年設立)について、その事業運営の問題性を厚生労働省がどこまで把握していたかを問いただした。答弁に立った日比徹労働基準局長は、監督省庁としての初めての立ち入り調査をこの日ようやく行ったことを認め、3年に1度の立ち入り検査さえ怠っていた実態が明らかになった。
これに対して桜井議員は、今回のKSD問題に対する監督省庁としての責任を明確にせよ、と追及。日比局長は「公益法人に対する指導・監督が徹底しなかったことについて責任を感じている」と厚生労働省としての責任を認めた。
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