民主党代表 菅 直人
防衛庁への過大請求をめぐる背任事件で防衛庁調達実施本部の幹部が証拠隠滅工作を行っていたことが15日、報道で明らかになった。この報道が事実であるなら、防衛庁はこの事件に関し「事実関係を早急に究明する」と繰返し表明してきながら、実際は同本部幹部が東京地検特捜部の警告を無視して組織的な証拠隠しを行っていたこととなり、極めて遺憾である。
このような官僚および官僚機構ぐるみの組織的な隠ぺい工作は、天下りと利益誘導に象徴される官僚組織と関連業界とのもたれ合い構造とともに、政府部内のモラルの崩壊を意味するものであり、国民への裏切り行為として断じて許されない。
政府は、証拠隠滅の事実関係を含めて実態を国民の前に明確にするべきである。また、このような報道が行われる以上、もはやこの背任・証拠隠滅事件の真相究明を政府・防衛庁に委ねておくことはできない。立法府が真相解明の機能を果たすべきであり、国会に対する政府からの事実経過の報告、そして本会議、予算委員会等における徹底した審議、解明を行うべきと考える。
同時に、この事件で防衛庁首脳の監督責任は免れない。野中官房長官は額賀防衛庁長官の就任時期を理由として責任がないかの発言をしているが、証拠隠滅が今年9月にも行われているとの報道もあり、政府の継承性という点においても責任は免れない。
民主党は、防衛庁長官と事務方幹部を含め、本問題に関するすべての関係者の責任を厳しく追及していく。
|