民主党幹事長 羽田 孜
21日朝、米国がアフガニスタンとスーダンのテロ施設に対してミサイル攻撃を行った。攻撃後、クリントン米大統領は国民向けのテレビ演説で、今回の攻撃はケニアとタンザニアの米大使館連続爆破テロを行ったテロ組織への報復攻撃が目的だったと言及した。より詳しい情報が必要であることは言うまでもないが、一連のテロとそれに対する報復の連鎖を深く懸念する。
先日の対米テロは、決して許されない行為であり、我々はあらゆる形態のテロリズムと断固として戦うことを明白にしておきたい。しかしながら、今回の米国の一方的な軍事行動については、主権国家の領域内に、国連決議もなく武力行使を行ったという点で、その正当性に疑問が残る。また、こうした「目には目を、歯には歯を」という武力行使がテロリズムの防止・根絶に有効な手段かどうかについても議論が必要である。
日本政府は、こうしたテロと報復の連鎖の可能性に受け身の対応をしてはならない。テロ問題に関する緊急安保理事会の開催を提唱するなど、世界平和のためリーダーシップを発揮すべきである。
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