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1998/08/15
終戦記念日を迎えて
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民主党代表 菅 直人

 近隣アジア諸国を始め、世界の人々と日本国民に過酷な犠牲を強いた太平洋戦争の終戦から53年目の夏がめぐってきました。失われた多くの命の重みは、決して風化させてはならない歴史の教訓です。日本という国が国民の安全と世界平和の達成のために今何をなすべきか-----我々一人一人が真摯に問いかけ、答えを出すことが今求められています。

 冷戦の終結に伴って、東西の軍事的衝突の危険性はほとんど消滅しました。しかしながら、宗教や民族問題などに起因する様々な対立と地域紛争はむしろ頻発しているという現実も一方に存在しています。また、先頃行われたインド・パキスタン両国の核実験は、私たちが平和の実現に向けた不断の取り組みを怠れば、世界はむしろ戦争の時代に逆行するおそれがあることを示しています。

 唯一の被爆国であり、世界平和に大きな責任を有する国として、日本が果たすべき世界史的役割はますます大きいと考えます。日本は、米ロなどすべての核保有国に対して期限・数量を明示した核軍縮の目標に合致することを求めるなど、当事者意識を持った核軍縮活動を展開すべきです。同時に、予防外交をはじめとした積極的で主体的な外交を展開し、国連を中心とした世界平和を実現しなければなりません。また、先の戦争の反省をふまえて近隣諸国との基礎的信頼関係を構築し、アジア各国との外交・経済関係を質量とともに一層深める一方で、沖縄をはじめ、米軍基地の整理・縮小・移転についても引き続き努力してまいります。

 「戦争の世紀』といわれた20世紀もあと900日を切りました。私たちは、平和への理想を持ち続けると同時に、観念論にとどまらない現実的アプローチを模索し、来るべき21世紀を「平和と友愛の世紀」にしたいと心から願っています。そのことを共に誓っていただきますよう国民の皆様にお願いし、メッセージとさせていただきます。

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