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1998/07/02
政府・自民党のブリッジバンク構想について(談話)
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民主党代表 菅 直人

1. 民主党は、金融機関の経営情報を徹底的に開示し、不健全な経営を続けてきた金融機関は破綻処理して、関係者の責任を徹底的に追及することが金融安定化のために不可欠だと主張してきた。今年1月の金融安定化関連二法案の審議に際しては、破綻処理のスキームを盛り込んだ修正案を国会に提出した。その主な内容は、強力な調査権限を持つ公的債権回収機構「整理回収機構」(日本版RTC)の設立と、整理回収機構による新銀行方式のブリッジバンク創設による破綻金融機関の整理、管財人の派遣、正常債権の受皿銀行への売却、整理回収機構による不良債権の時価買い取り・回収、破綻金融機関の経営者や悪質な借り手の責任追及の徹底、などである。

2. 本日決定された政府・自民党の金融再生トータルプラン(第2次とりまとめ)は、金融機関の情報開示のルールをどのように定めるのか、誰がどのような基準で不良債権と健全な債権を分類するのか、公的ブリッジバンクが受け継ぐ債権の管理責任は誰が負うのか、破綻した金融機関の経営者や悪質な借り手の責任を誰がどのようにして追及するのかなど肝心な点が全く不明確である。政府・自民党が経営情報の開示と不良債権を作った当事者の責任追及を徹底しないなど運用を誤れば、「不良債権飛ばし」のために税金を無駄使いすることになるとの疑念を強く抱かざるを得ない。

3. 私は、昨年12月1日の衆院予算委員会で、破綻させるべき金融機関の整理を進めて金融システムを安定化させるために、ブリッジバンクの創設を含む米国型の金融機関倒産法制の整備を橋本総理に提案した。しかし、当時の政府・与党は、この提案を無視して不健全な経営をしている金融機関も含めて一斉に優先株や劣後債を発行させて公的資金で買い取るという一時しのぎのびほう策しかとってこなかった。不良債権の抜本的な処理を米国から迫られるまで先送りし、日本経済が泥沼の政策不況に陥るのに手をこまねいてきた橋本総理と自民党の政治責任は極めて重い。

4. 政府・与党は、今回の対策に関して、国民や国会に説明する責任がある。民主党は、参議院選挙期間中であっても、政府・与党がただちに衆議院大蔵委員会の開催に応じるよう強く求める。委員会の開催に応じない場合は、自民党対民主党の党首公開討論会の早期開催を改めて要求する。

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