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1998/06/11
児童買春・児童ポルノ規制法案に関する見解
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民主党児童性的虐待問題プロジェクトチーム

1、児董を性的虐待から守るため、特に海外における低年齢児童への買春・ポルノ撮影等が国際的批判をあびている現状に対して、早期の立法措置が必要である。

2、しかし、今回提出された与党案は、構成要件があいまいで警察の裁量が大きくなりすぎ、表現の自由、児童の性的自己決定権などを不当に侵害するおそれもある。また、刑法など他の法制との整合性にも問題がある。さらに、守るべき法益があいまいなため、海外の低年齢児童など、緊急に保護が必要な部分への実効性も不十分である。

3、私たちは、国民の権利・義務に密接にかかわる本立法が国民的合意に基づき早期に行われるべきとの考えから、与党協議への参加、提出前の修正などについて与党と非公式に交渉してきたが、われわれの提案に一切耳を傾けず、与党が法案提出に踏み切ったことは、法案を真剣に成立させる意欲があるとすれば、まことに遺憾である。

4、以上のような観点から、与党案は抜本的に見直しの上、再提出が必要と考えるが、最低限以下の修正が必要である。

(1)「買春の定義」について
○定義があいまいな「性交類似行為」を削除し、「性交等」の定義を、「性交、若しくは自己の性的好奇心を満たす目的で、性器、肛門若しくは乳首に接触し、又は接触させること。」と明確化する。
○通常の交際との線引きを明確にするため、「代償」は、拡大解釈されないよう限定する。
(2)「ポルノの範囲」について
 絵は、保護法益が異なるため除外する。
(3)「ポルノの定義」について
 「衣服の全部又は一部を脱いだ児童の姿態であって性的好奇心をそそるもの」との表現は、範囲が広すぎかつ主観的・あいまいであり、削除する。
(4)「広告の処罰」について
 写真等の掲示があれば正犯、その他の場合も公然陳列・販売の共犯・幇助犯として処罰できるので、削除する。
(5)「児童買春の罰状」について
 他の刑法犯との整合性からも、懲役「5年以下」を周旋罪・勧誘罪と同じ「3年以下」に改める。
(6)「児童ポルノの単純所持」について
 守るべき法益がなく、削除する。
(7)「年齢の知情」について
 過失処罰の規定であり、「児童の年齢を知らないことにつき過失の存するときは、第3条乃至第7条の規定による処罰を免れることはできない。」に、改める。

5、民主党は、上記事項をふまえ、人権侵害のおそれがなく、実効性のある対案を早期にとりまとめ、次期国会に提出する所存である。

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