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1998/06/09
「中央省庁等改革基本法」成立にあたって
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民主党政調会長 伊藤 英成

 本日、参議院において「中央省庁等改革基本法」が成立した。民主党は法案が国会に提出されて以来2ヶ月にわたり、重ねてこの法案を行政改革と呼ぶには値しないことを主張してきたが、自民党・政府は我が党のみならず国民の声にも耳を傾けず、強引に法案を成立させた。

 現在の日本は様々な側面において閉塞感が充満している。政治の責務はこの閉塞感から国民を解放し、新たな我が国社会の構築に向けて国民と共に力強く歩き出すことである。この抜本的な改革が必要だからこそ、行政改革会議はその報告書において「この国のかたち」の再構築を説いたのである。従って今回の行政改革に必要なのは、行政を新しい革袋に詰め替えることでも、上辺だけの地方分権や規制緩和を行うことでもない。行政改革を通じて、新たな日本社会を構築することがその真の目的であり、地方分権や規制緩和はその実現に有効であって初めて意味のあるものとなる。今回の行政改革をこのように捉えた時、従来の「ハコモノ行政」の手法を踏襲した器優先の行政改革、中身のない地方分権や規制緩和、官僚に依存した手法を盛り込んだ「中央省庁等改革基本法」は全く行政改革とは認められない。なによりも重要なことは、この法律案を成立させることによって、橋本総理が新しい我が国社会をどのように構築していくのかが、全く見えないことである。そればかりか本法案には巨大な開発官庁である「国土交通省」や設置目的が全く不明な「総務省」などが盛り込まれている。総理が本当に21世紀の「この国のかたち」にこのような省庁が必要だと考えているならば、総理に日本の将来を語る資格は無いと断ぜざるを得ない。官僚に依存し、族議員に振り回された結果、総理は我が国の将来を踏みつぶそうとしているのである。

民主党は我が国を抜本的に改革し、新たな日本を構築する手法として「中央省庁の権限を地方、市場、市民へ振り分けること」「官僚主導の国家から国民が真に主権を行使できる国家へ転換すること」を提唱し、これを実現するための「行政改革基本法案」を提出した。民主党案は成立に至らなかったが、自民党政権に行政改革の実現も、新たな「この国のかたち」の構築も不可能であることが明白になった以上、早急に政権交代を実現し、我が党案を更に練り直した上で、真の行政改革を実現する所存である。

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